動物の好き嫌いはさまざま
ついでながら、どんな動物を好み、どんな動物を嫌うかは、国や民族、時代によってさまざまです。古代にはいろいろな民族が、実にさまざまな動物をトーテム(守護神)として崇めていました。また蛇が精力の象徴と思われた地域は多いようで、古代の建築物には蛇の彫刻もかなり残されています。日本では鶴や亀などが長生きをするおめでたいものとされ、蛇、猿、豚などは良くない譬えに使われてきました。犬は動物としては好まれましたが、「媚びて服従する者」の譬えにも使われました。しかし中国では逆に亀は悪い譬えにされやすく、猿に神聖なイメージがあったりします。ただし中国では人の名前に動物の字を入れることはあまりありません。
宗教的な絡みによって動物の好き嫌いが生まれる場合もあります。例えばインドでは牛が神聖なものであったり、アラブでは豚が汚らわしいものとして嫌われます。キリスト教国では何と言っても羊が特別な意味を持っています。さまよえる子羊という譬えもありますし、羊飼いから牧師という言葉も生まれました。欧米にはシェパ-ド(Shepherd)という名字もよくあり、羊飼いを意味するものですが、日本では牧場で羊を追いこむ犬の名前として知られています。