開放感、通風・採光はあまり期待できない
反面、遮音性、暖房効率は優れている
このように、マンションは一戸建てに比べ、開放感がありません。そのため通風・採光もあまりよくありません。開放感がない空間は圧迫感、閉塞感を感じるため、長く居続けようという気になりにくいでしょう。特に北向きの廊下側の居室は、昼間も暗くて照明が必要ですし、梅雨時などはジメジメしていますので、くつろぐには今ひとつです。そこで家の中で一番開放感があり、通風・採光・日照の良いリビング・ダイニングへ家族が集まる傾向が見られます。最近ではバルコニーに面したリビングの窓には2m程度の高さのサッシが使用され、できるだけ開放感を高める工夫がされるようになりました。
半面、開口部が少ないために機密性が高く、冬温かく、暖房効率も一戸建てに比べて高いといえるでしょう。また、サッシ類も遮音性の高いものが使われる場合が多く、外からの音は窓を閉めている限りほとんど聞こえないくらいです。車やサイレン騒音が聞こえないぶん、風や雨の音、小鳥のさえずりも聞こえないので、自然環境とは縁遠い暮らしになります。
都心部の一戸建てより
郊外のマンションのほうが開放性は高い
都心の密集市街地にある一戸建ては、建物の配置が、マンションと同じようなうなぎの寝床式になり、隣の建物とも近接しますので、開放感は限りなくマンションに近づきます。京都の町家などはその典型で、開放感を得るために中庭を設けるなどの工夫をしています。同じように郊外のマンションは、南面3室とか全住戸角部屋といった間取りで、一戸建て並みの開放案を追求したものが見られます。立地によって、開放感に違いが生じることも併せて頭にいれておけば、より自分に向くのがどんな一戸建てなのか、マンションなのかが、はっきりしてきます。
次のページで、キッチン・洗面台・浴槽などの設備の違いについても触れておきましょう。