BMW/BMWの車種情報・試乗レビュー

扱いやすいGTモデル、満を持して登場したグランクーペ

現行6シリーズ発表時から予告されていたBMW初の“4ドアクーペ”がついに登場。全高世界で最も背の低いであろう4ドアサルーンに、一足早くシシリー島で試乗してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

予告されていた“4ドアクーペ”の導入

BMW6シリーズグランクーペ

今年のデトロイトショーでお披露目された6シリーズの4ドアモデル。ボディサイズは全長5007mm×全幅1894mm×全高1392mm、ホイールベースは2968mm


まずはコンバーチブルから市場導入のはじまった現行型6シリーズ。当初から2ドアクーペの次に4ドアクーペをリリースすることは決まっていた。だから、実際にこうしてグランクーペが登場したといっても、さほど驚かなかったわけだけれども、BMW史上初のロールーフ・4ドアサルーンであるという事実は変わらない。

もちろん、グランクーペ登場の背景には、M・ベンツCLSクラスに始まった4ドアクーペブームに続けとばかり、プレミアム&スポーツブランドから矢継ぎ早に、スタイリッシュなサルーンが現れた、ということがある。アウディからはA7が、VWからはパサートCCが、そしてCLSクラスも2世代目へと進化をはたし、さらにはポルシェパナメーラやアストンマーチンラピードといった超ラグジュアリィな4ドアクーペも登場している。

機能重視のM・ベンツブランドからまさか、お洒落な4ドアクーペなんてものが登場するなんて……。ある意味、メルセデスと同じくらい“頭の堅い”ビーエムのエンジニアたちは、おそらく、初代CLSクラスの登場と市場の熱狂ぶりを目の当たりにして、忸怩たる思いに駆られたことだろう。この手のサルーンは、本来、スポーツ性にこだわったブランドであるBMWから出ていてもおかしくない、と誰もが思ったものだ。

事実、BMWはすぐさま後追いを決断したのだという。先代6シリーズをベースとした4ドアが企画されていたらしいのだが、リーマンショックがすべてをご破算にしてしまった。そういう意味では、満を持してのグランクーペ投入であり、現行型の登場時から4ドアモデルの用意があると宣言していたことも頷ける。

まずは既存の現行型6シリーズと同じ640iとディーゼルターボの640d、そしてバルブトロニックが付いてさらに高性能&高効率となった新V8ツインターボの650iがリリースされる。もちろん、すべて直噴エンジン、8速オートマチックのアイドリングストップ付きだ。ちなみに、650にはxDrive(4WD)のオプションもある。アメリカ東海岸のエリートご用達?

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