ニューリッチへの道/ニューリッチへの道

インデックス投資をする意味とは?(2ページ目)

買い一辺倒では、数年ごとに訪れる暴落相場や金融恐慌によって、それまで積み上げた利益を全部チャラにされるリスクが高くなっています。いずれにせよ、乱高下する相場の中でもコツコツ利益を出していくことによって、長期で振り返ったときに、「増えている」となるのではないでしょうか。そう考えると、どのような方法であっても、運用技術を磨こうとしなければ、お金を増やしにくい時代といえます。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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市場平均で納得できるなら貯蓄性の高い保険でも良いのでは?

また、市場平均程度で納得できるほど満足水準が低いのであれば、何もわざわざリスク資産にお金と投じる必要もないでしょう。たとえば個人年金や養老保険など、貯蓄性の高い保険に入るという方法も運用のひとつです。

一般的な戻り率は満期時点で払い込み金額の107%程度であり、さらに数年が経過すれば、110%以上になって戻ってきます。満期時の相場や景気に関係なく、確定にお金が入ります。

ただ、運用利回りだけ考えると、非常に魅力が低い商品です。毎月5万円、25年間積み立てて、やっと10%増えて1650万円ですから。しかし、これらは所得控除の対象ですから、これから保険に入る人は、医療・介護、年金の3種類で最大で12万円の所得控除となります。住民税は最大7万円の控除です。サラリーマンであれば、年末調整や確定申告によって所得税の還付が受けられます。翌年からの住民税が安くなりますから、手取り額が増えます。保険による節税は、本人の能力や資本力、金融情勢に関係なく、機械的にメリットを受けられます。

この節税効果が払い込み期間中、ずっと続きます。しかも、保険料はほとんどの場合、クレジットカード払いが可能ですから、ポイントも貯まる(笑)。満期保険金と節税とカードのポイントを合わせると、ぐっと魅力的な運用商品となります。

もっとも、インフレに弱いのが確定利回り保険商品の弱点ですから、満期時がインフレならば、実質的には目減りするリスクがあります。また、法制度が変更となり、節税の範囲や料率が変わる可能性もあります。

とはいえ、額面として元本割れするリスクがほとんどなく、確定金額が受け取れるので、精神的な安心度は高い。私も、所得控除の最大金額を受け取れる最少の金額で加入しています。私の場合はもともとの所得税率が高いので、利回りももっと高くなります。

ベランダで家庭菜園をして食費を浮かせる「運用」も

このように、節税によって還付がある、手取りが増えるという方法も、ひとつの運用です。あるいは、資金を自宅購入に回し、老後の住居費を抑えるのも、ひとつの運用です。太陽光発電パネルを取り付けて、電気代節約と売電収入を得るのも、ひとつの運用です。ベランダにプランターを置いて野菜を育て食費を浮かせるのも、ひとつの運用です。「お金を残す」のが目的であれば、いろいろ選択肢はあります。

つまり、「自分の限られた資金をどのセクターに投じることが、もっとも資金効率が高まるのか」を考えることが重要です。そう考えたとき、もし「殖やす」のが目的ならば、利益確定の技術を持たない人のインデックス投資は、やはり弱い。何年もかかって積み重ねきた利益を、一瞬の暴落で吹き飛ばされた経験をした人も多いのではないでしょうか。

もっとも、ひとつインデックスが有効であろうと思われる市場をあげるとすれば、成長国や新興国です。アフリカ諸国など成長潜在力が高く、でも個別銘柄を買うにはリスクが高過ぎるとか、外国人が容易に証券口座を開設できない、という市場であれば、インデックスでも投信でも有効だと思います。

東南アジアも、国民の所得も上がり内需がしっかり盛り上がってきましたから、インデックスでパフォーマンスを出せる可能性が高いでしょう。
参考「世界の金融商品に目を向けよう」

内需が追いついてきたということは、1997年のアジア通貨危機のような事態にはなりにくいと考えられます。実際、タイやインドネシアの投信は、ギリシャショックや欧州債務危機でも、下げはそう目立っていません。

私がマレーシアに投資をしているのも、そのあたりに理由があります。とはいえ、やはり利益確定のタイミングはつねに意識しています。結局は現金化しなければ、本当に増えたことにはならないからです。

もちろん、絶対はないし、正解もない。その中で、感情や願望で投資手段を妄信するのではなく、「その方法でお金が増えるとする根拠は何か?」「その方法でお金を殖やすには、どういう作業が必要か?」を冷静にロジックで検討しておく。そうすれば、不安感は小さいし、自分が何をしていて、今後何をすべきかもわかる。

結果がどうあれ、納得することができるでしょう。
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