下記グラフは、縦軸が記事を書いている時点で最新の4月30日~5月6日の視聴率(前述の理由で『パパドル!』だけは4月26日分)、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差です。初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値ですから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか、またはつまらなかったかを示すはずです。
視聴率グラフ
「ジャニーズ」だけじゃない
上記グラフを見ると、『鍵のかかった部屋』『ATARU』『37歳で医者になった僕』『三毛猫ホームズの事件簿』のジャニーズ俳優主演作が上位四作を占めます。しかしジャニーズというだけではなく、他に魅力があり上位になってます。『鍵のかかった部屋』は、名探偵を中心とした推理もの。このパターンの場合、登場人物の中心は名探偵(ホームズ)とその相方(ワトソン)、テレビドラマでは『TRICK』など、男女コンビにするのが定番です。ところが『鍵のかかった部屋』は、榎本径(大野智)と青砥純子(戸田恵梨香)、芹沢豪(佐藤浩市)の三人体制。探偵役の榎本を『ガリレオ』の湯川以上に感情を表に出さないキャラにすることで大野智の演技負担を減らし、佐藤浩市のコメディ演技を生かす作戦ですね。フジテレビ『最後から二番目の恋』の中井貴一に続いて、演技派ベテラン俳優をうまく使ってます。
『ATARU』も同じく三人体制。第一話20%弱と春ドラマのトップで二話も初回から3ポイント減と合格点。しかし4月29日の三話はさらに6ポイント減とはげしく落ち、どうなるかと思ったら5月6日の四話は2.9ポイント戻し、乱高下しています。見て思うのは好き嫌いがわかれるタイプのドラマだということ。このパターンは普通、最初は低視聴率で口コミで尻上がりに人気が出るのですが、中居正広主演ドラマとして最初から強くプッシュされたためにこうなったんでしょう。今後は安定飛行に移れるか?
『37歳で医者になった僕』は、『いいひと。』キャラの草なぎ剛を、意外にまだやってなかった医者役に。スタート時の数字はまあまあでしたが、他が落としていく中、地道に浮上してきました。病院ものは、切った張ったの外科医が主人公だとヒットしやすいのですが内科医はそれほどではありません。今回の成功は草なぎ剛の演技とイメージによるところが大きいでしょう。
『三毛猫ホームズの事件簿』もダメ刑事・片山義太郎と相葉雅紀がピッタリ。1-2話は片山兄妹(藤木直人、大政絢)をはじめとしたレギュラー陣の性格が原作と違って違和感がありましたが、3-4話はそうでもなくなっているので、この線でいってほしいと思います。