胆道閉鎖症とは

胆道閉鎖症

胆嚢は肝臓の下側にあります。胆道閉鎖症では胆管は見られませんが、胆嚢が無い場合があります

胆道は、肝臓で作られた胆汁を十二指腸に流すための経路です。胆道には、胆嚢と胆管があります。胆嚢は袋の形をしていて、肝臓の側にあり、胆汁を一旦、貯めておきます。食事の時に、胆嚢が収縮して、胆汁が十二指腸に流れていきます。

胆汁の役割は、食事に含まれる脂肪を体に取り込むことです。脂肪は、細胞を作るのに大切な栄養分です。

この胆道が生まれてから徐々に詰まってしまう病気が、胆道閉鎖症です。
この病菌の原因は不明です。年間100名の発症があります。出生1万人に1人と言われています。男児より女児に多いです。

本院10年間で2例ありました。院内出生が1例で、院外出生が1例でした。

胆道閉鎖症の症状

胆道が詰まってしまいますので、胆汁が肝臓にたまってしまい、血液中にも流れてしまいます。それが黄疸です。

  • 体や目の白めの部分が黄色になる黄疸
  • 便に胆汁が見られず、便が白くなる。さらに、灰色がかった白色、クリーム色やレモン色の便でも要注意です
  • 尿の色が濃くなります
  • 肝臓が機能しなくなり、血を固める凝固因子が減って、血が止まりにくい出血傾向

などがあります。

便の色は、普通は、緑色、黄色、褐色便ですが、淡黄色~白色便が続く場合は要注意です。肝炎やロタウイルス胃腸炎でも白色便は出ますが、胆道閉鎖症は早期発見が大切になりますので、便の色には注意しておきましょう。

さらに肝臓に胆汁がたまってままにしておくと、肝臓の細胞が無くなって、線維組織が増え、肝臓が小さく硬くなってしまう肝硬変になってしまいます。肝硬変になると、肝臓が機能しなくなり、血液の循環も悪くなるために、食道の血管が瘤のように膨らむ食道静脈瘤、お腹の中に水がたまる腹水、お腹の表面の血管が拡張します。肝臓の機能低下で出血傾向のため、様々な部分に出血します。特に脳内出血は重篤です。

そのためにも、胆道閉鎖症の早期診断が重要です。

胆道閉鎖症の検査

新生児の頃には、黄疸があります。これは生理的に黄疸が生じるのですが、個人差が大きく、母乳栄養では黄疸がやや強く、長くなる傾向があります。

黄疸が1ヵ月過ぎても治らない場合に血液検査が行われます。
血液検査では、黄疸の原因になるビリルビン、肝臓に含まれるAST、ALTという酵素が上昇しています。肝臓に関連する検査を行います。

腹部超音波検査で、胆嚢が見られない時には胆道閉鎖症が疑われます。胆嚢が見られるときでも、胆道の閉鎖してしまう場所によっては完全に否定できないので、様々な検査を行う必要があります。胆嚢が見られない理由に、満腹時には胆嚢は小さくなる時もありますから、できれば、空腹時の検査が望まれます。

胆道シンチグラフィーと言う検査は、肝臓から排出される放射線をつけた物質の動きを見る検査です。この物質が肝臓に長くとどまると、胆道閉鎖症の可能性があります。

さらに、様々な検査を行い、診断ができない場合、胆道閉鎖症は2ヵ月以上放置しておくと、肝硬変になりやすくなります。肝硬変になると、移植以外の治療方法が無くなります。腹腔鏡を使ったり、試験開腹して、実際に胆嚢や胆管の状態を確認することもあります。

胆道閉鎖症の治療

先天性胆道閉鎖症

診断がつくとできるだけ早くに手術が必要です

胆道閉鎖症の可能性がある場合は、できるだけ、小児外科医と相談しながら、外科手術が望ましいです。

胆道閉鎖症の治療方法は外科手術しかありません。胆道の流れを作る外科手術が行われます。葛西の手術と言って、小腸を胆管の替わりにするために肝臓に結合する手術です。この手術で胆汁が腸管に流れるようになれば成功です。しかし、葛西の手術で治療が困難な場合は、肝移植になります。現在は、生体肝移植と脳死による死体肝移植があります。生体肝移植は、血縁者の肝臓の一部を移植する方法です。



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