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【住宅取得検討ビギナー向け】 資金計画の基本(2ページ目)

今回のお話は住宅取得にあたっての「資金計画」について。よりしっかりとした計画をたてるための手法や、国による住宅取得支援策の基本的な考え方などについて解説します。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

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国は新たに住宅取得をする方々に、様々な支援を提供しています。それは税金や住宅ローンの分野に表れてきます。では、なぜ国はそのような支援策を用意するのでしょうか。それは、住宅の世界が景気の刺激策として有効だからです。

住宅取得を国が支援する理由とは?

長期優良住宅

長期優良住宅に適合する住宅を取得する場合、税制やローン金利で様々な優遇をされるメリットがある

住宅を1棟建てるには、数万点に及ぶ部品が使われます。要するに、住宅そのものを建てるハウスメーカーだけでなく、素材や部材、設備を供給するメーカー、さらにはそれらを住宅に取り付ける大工さんや工事業者もいるわけで、住宅が建てば建つほどそれらの人たちが潤い、経済が活性化するのです。

住宅を新たに取得する人たちの多くが若い世代ですから、その支援策という意味合いもあります。また、古い住宅から新しい住宅に生まれ変わることで、地震や火災などに強い防災上優れた住宅、さらにはエネルギー消費の少ない環境に優しい住宅が増えていくという、そんな社会的な意味もあります。

例えば現在、国が推奨する住宅のあり方として「長期優良住宅」があります。これは耐震性や省エネ性、バリアフリー性、可変性など九つの項目に適合する住宅のことを指しますが、これに適応する住宅なら優遇の幅はより広がります。

平成24年度の住宅税制でみてみますと、「認定省エネ住宅に住宅ローン控除等の特例措置」があります。一般的な省エネ性能の住宅に適用される住宅ローンの控除は住宅借入金などの年末借入残高の限度額で、平成24年度居住開始分について3000万円、25年度分については2000万円と徐々に減額。

税制やローン金利、補助金などの優遇策

年間の最高住宅ローン控除額は24年度30万円、25年度30万円。最高額の控除を10年受けられれば、最大住宅ローン控除額は合計で24年度居住開始で300万円、25年度居住開始では300万円となります。これが長期優良住宅の認定を受けた住宅ですと、さらに優遇されます。

住宅ローン

住宅ローンには長期・短期・固定・変動など様々な種類がある。そのメリットやデメリットも反映した資金計画としたいものだ(写真はイメージ)

具体的には、住宅借入金などの年末借入残高の限度額が、平成24年度居住開始分について4000万円、25年度分については3000万円と上乗せ。年間最高住宅ローン控除額は24年度40万円、25年度30万円。10年の最高額控除は合計で24年度居住開始で400万円、25年度居住開始では300万円となります。

また、住宅ローンの金利についても長期優良住宅のような質の高い住宅では、メリットがあります。住宅金融支援機構フラット35】Sは、省エネ性、耐震性、バリアフリー性、耐久性・可変性に優れた住宅に適用されるもの。こちらも金利の面で、一般的な性能の住宅より、低い金利が設定されています。

このように、環境性能や耐震性などの点で質の優れた住宅を建築することで、税制上はもちろんのこと、住宅ローン金利や各種補助金といった点でも有利な条件で住宅取得が可能となるのです。

ただし、各種条件については専門的な知識が必要になりますから、これらについても前記したファイナンシャルプランナーや税理士、あるいはハウスメーカーの専門知識を有した人たちに相談しながら、より確実な資金計画を立てるようお勧めします。

【関連記事】
【住宅取得検討ビギナー向け】 心構え編(1)
【住宅取得検討ビギナー向け】 心構え編(2)
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