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「泣かない子供」江國香織 著

江國香織さんの短詩集「泣かない子供」は、エッセイのような内容になっています。1、2ページと短いながら、共感できる点が多い作品です。

投稿記事

泣かない子供

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短詩集「泣かない子供」は、エッセイのような内容で、1、2ページと短い作品です。おすすめの理由としては、読んだ当時、同じような心境だったことが挙げられます。

大学時代の終わりに読んだ「泣かない子供」。江國香織さんの文章は、なるほどと思う部分と恋愛に自由すぎてちょっと違うと思う部分がありますが、この「泣かない子供」については、当時の心境にあまりにも似ていて衝撃的でした。

冒頭の「一人になるとき」は、今読み返しても涙が出そうになるくらいで、結婚後、大量の本を処分したのですが、これだけは捨てられずにいます。

話の内容は、冬のおわりを描いています。寒くて、天気が悪くて、好きな人とずっと一緒にいるのに満たされない心境、恋愛は終わりかけているのに離れられないさみしさを抱え、散歩をしていても会話がない、せつない恋愛をしているそんな時に、メリーゴーランドを見つけ乗ってみたくなり、自分一人だけで乗る話です。

メリーゴーランドに乗ると途端に一人になり、視界から男が消えて孤独を感じ、一巡すると男が見え、手を振る、その瞬間はほんの一瞬でまた男は景色に消える。さみしさと同時に感じる安堵、身軽さ。

そして「とうとうこんなところまできてしまった」といいます。そして一人になるときがきたと悟ります。

社会人になるときに就職先をどこにするかで、恋愛を終わらせるべきかどうか悩んでいた時期だったたので、この話はとても感慨深かったです。出口のない恋愛や終わりかけているとわかっているのに別れられない恋愛のさみしさに思わず共感しました。

この「一人になるとき」は、数ページで読めるので、本屋さんで手に取ってさらっと読んでみるのもおすすめです。

 



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