食と健康/健康レストラン・食ニュース (関西)

大阪市が産学官で取り組む「抗疲労食プロジェクト」

忙しい現代は、老若男女から子どもまで疲れを感じる人の比率が高い傾向にあります。疲労を癒すためには、生活全体の改善も必要なのですが、今回は「食」で何ができるのか、産学官で取り組んでいる大阪市のプロジェクトをご紹介します。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

疲労に伴う医療費は年間1兆円を超える!?

疲労,慢性疲労

疲れがなかなかとれない人が増えています。

「疲労」は、初めは病院にいくほどでもない状態であっても、常に疲れている状態が続くて「慢性疲労」と呼ばれる病気に近い状態になったり、様々な病気の前兆となることもあります。日本では、1991年厚生労働省(当時・厚生省)が慢性疲労症候群の調査研究班が発足し、本格的に国家的な取り組みを始めました。

「自律神経機能異常を伴い慢性的な疲労を訴える患者に対する客観的な疲労診断法の確立と慢性疲労診断指針の作成 平成22年度 総括・分担研究報告書」によると、
最近の疫学調査結果によると、国民の1/3以上が慢性的な疲労を自覚、生活に支障をきたしている慢性疲労患者は約5.2%存在し、疲労に伴う経済損失は医療費を除いて年間1.2兆円にのぼる。
とあります。

「疲労」は、今や深刻な社会問題となっており、日本での「抗疲労」分野における研究は、世界でもリードをしているそうです。「抗疲労・癒し」市場は、2020年度には12兆円に拡大する(大阪産業創造館調査)と言われています。

産学官で「抗疲労」に取り組む大阪市

大阪市,大阪産業創造館,西前綾子

公益財団法人 
大阪市都市型産業振興センター 
新産業創造推進室 
ヘルスケアチーム 
シニアプランナー 
西前綾子さん

「疲労」を癒すためには、衣食住その他も含めた生活全体を見直すことが必要ですが、ここでは具体的に「食」で何ができるかを考えたいと思います。

今回は、産学官で「抗疲労・癒し」をテーマに取り組んでいる大阪市の「抗疲労レシピプロジェクト」について、公益財団法人 大阪市都市型産業振興センター 新産業創造推進室 ヘルスケアチーム シニアプランナーの西前綾子さんに、お話を伺いました。

同法人は、大阪市における中小・ベンチャー企業の支援拠点。「抗疲労・癒し」の分野のビジネス創出にむけて、関連法規やビジネストレンド情報の発信や企業間のマッチングを目的としたイベントの開催、各社の個別課題の解決に向けた大学・研究機関の紹介など、様々なサポートを行っています。

西前 「この『抗疲労・癒しプロジェクト』は、2008年から取り組みを始め、2011年までは啓発する、広く知っていただく期間でした。これからはより具体的なビジネス創出にむけて、生活のシーンの中で最も身近な食から『抗疲労レシピプロジェクト』を企画しました」。

詳しい「抗疲労レシピプロジェクト」のお話の前に、「抗疲労食」、疲労に有効な食べ物とは、具体的に何なのかをご紹介します。

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