GPS+ランドマーク登録はもう当たり前!
さて、「旅行デジカメ」としてはGPSで測位ができて、そのデータを画像内に格納できるのはもう当たり前。全世界で約100万件登録されているランドマークを認識してくれるのも当然の機能といえる。ついでにいえばランドマークを新規に50件まで登録できる。DMC-TZ30はさらに進歩したGPS機能を搭載しているのである。同梱されているDVDである「LUMIX Map Tool」からSDカードに地図データを書き込むことができ、ちょっとしたナビゲーションシステムとして使うことができるのだ。
ただし、全世界のデータを読み込む場合には8GBほど容量が必要となる。日本だけであれば400MB弱なのでこちらのほうが現実的だろう。自分の現在位置から近くのランドマークがどこにあるかといった表示ができ、かなり便利だ。スマートフォンがあれば必要ないともいえるが。
ちょっと残念だったのは室内などにいてGPSで測位できなかった場合、画像データに前回の測位データを書き込むという仕様。たとえば地下鉄で移動して、そのまま地下街に入って撮影というような場合、前回の測位データが書き込まれてしまい、移動をしていないように見えてしまうのだ。
高倍率ズームに似つかわしくないサクサクさ
撮影していて気に入ったのが、高速なオートフォーカス。パナソニックのミラーレス一眼カメラであるDMC-G3(パナソニック LUMIX DMC-G3 レビュー)とまではいかないが、ほぼ同じ体感速度のオートフォーカス速度である。小気味のよいオートフォーカスとでもいえばいいだろうか、これまでのコンパクトデジタルカメラにはあまりなかった気持ちよさだ。おそらくミラーレスで培ったコントラスト式オートフォーカスのノウハウが投入されているのではないだろうかと感じられた。
さすがにマクロ撮影になるとぐっとフォーカスの速度は落ちる。それでも同様にフォーカスの速度が落ちるはずの望遠側でもかなりの速度で合焦する。また、その確度も高いように感じられた。
往々にして高倍率ズームレンズを搭載したデジタルカメラはのっそりとした動作速度になることが多いのだが、DMC-TZ30はオートフォーカスだけでなく撮影間隔やメニュー展開など、全体がサクサクとした動作となっている。クアッドCPUを搭載した画像エンジンが効いていると思われる。
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