「貯める」と同時に「増やす」意識も必要
~投資を組み込み、貯蓄効果をさらに高める~
貯蓄ペースも安定して保てるようになり、貯蓄額も増えてきたら、その一部を運用で増やすということも考えていいでしょう。年間貯蓄が100万円に届かなくても、運用で増やすことで、長い目で見れば、より100万円に近づけることにもなります。具体的な投資商品ですが、まずはここ数年、高騰を続ける金投資。商品としては、純金積立の他、最近では金ETFが人気。購入手数料が純金積立より割安です。とくに金の現物を投資対象とする金ETFは、「金価格以外の影響を受けにくい点がシンプルでわかりやすく、おススメです」と深野さん。しかし、そんな金投資をする場合は、長期的なリスクにも目を向けるようにと深野さんは警告します。
金価格に連動し、売買手数料が割安な金ETF。投資をする上での注意点は?
「今後3年間は金投資に強気でもいいと思います。しかし、それ以降は各国の金融政策しだいで不透明ともいえる。金価格の高騰は世界経済の信用不安の高まりよりも、世界的な金融の量的緩和が要因。金融引き締めが起これば一気に金価格は下落する可能性もあります。世界各国の金融政策をチェックしながら投資をするべきです。また、金そのものは保有しているだけでは、利息収入のようなインカムを生みません。堅調でもコア資産とせず、全体の1割程度に抑えるのが賢明です」
●金ETFの商品例
外貨は時間分散をきかせ、日本株は株主優待銘柄も視野に
投資に興味がある人には、外貨投資も気になるところ。昨年から続く空前の円高で、注目度は高まっています。また、分散投資という点でも米ドルだけでなく、ユーロや豪ドル、その他、新興国の通貨を持つことは、リスクヘッジにつながります。「ただし、外貨は明らかにマーケットに振り回されています。この円高でもわかるように、為替は実態経済をともなっていません。投資をするなら、必ず時間分散をしてください。たとえば、為替差益が非課税になる外貨MMFを利用し、積み立てで少額買っていくといった方法がいいと思います」(深野さん)今上昇している日本株式にも触れておきます。株式の個別銘柄は何を選択するかが重要。そのためには知識や経験も必要になってきます。ビギナーであれば、値上がりが期待できる優良銘柄を選択するのはもちろんですが、株主優待や高配当を基準に探してみるのもいいでしょう。
積立の一部を投資信託で行うのもオススメ
また、分散投資が手軽できるというのが魅力の投資信託も、やはり商品選択にはそれなりの勉強が必要。最近では、1000円から積立による購入が可能な投資信託が数多くありますので、まずは自分なりにポートフォリオを組んで複数本購入してみるのがおススメ。●1000円から投信積立できる会社の例
「また、投信信託もそうですが、投資にはさまざまなコストが発生します。投資で大きく収入を得るのが難しい時代になりつつある今、投資コストの節約や収益に対する節税(非課税や軽減税率など)も意識し、投資による収益と合わせてリターンとしていく発想が大切になってくるでしょう」
●深野先生がオススメする投資信託一覧
以下に深野さんがオススメする投資信託4本ととその理由を紹介します。参考にしてみてください。
次のページから、年間100万円以上を貯めている読者5人のテクニックをご紹介します! ぜひ参考にしてみてください。
年間100万円貯めている達人、投資エンジョイ系藤田さんの運用とは?
取材・文・撮影/清水京武 監修/深野康彦(ファイナンシャル・プランナー) イラスト/竹松勇二