確実と高利回りも併存しにくい

それでは確実に高利回り、というのはなぜ併存できないのでしょうか。定期預金金利のように確実に得られる金利以上の高いリターンを、定期預金のような確実さを維持したまま、獲得できる投資信託などがあれば、これは絶対に買いたいところです。しかし、そういうものはなかなか存在しません。

その理由は、確実なものは不確実なものより利回りが低くなるからです。
不確実な値動きをするのに、期待できる利回りが定期預金なみ、あるいは定期預金以下のような商品は、誰も欲しいとは思いません。定期預金を普通にもっていればいいからです。そうした商品が仮に設定されたとしたら、誰も買わないか、値段が下がって、「不確実だけど利回りは高い」に戻ってしまいます。

逆に、確実だけど利回りが高いような商品があったとしても、これは先ほど「安全かつ高利回り」が値上がりして存在しないことを説明したとおり、値動きが発生して値段が上がってしまいます。

やっぱり、うまくいかないわけです。

「安全×確実×高利回り」は疑ってかかることが必要

結局のところ、誰でも「安全×確実×高利回り」は欲しくてたまらないため、結局そんな金融商品は成立しないわけです。仮に成立したとしても、それは一瞬のことで終わってしまいます。インターネットが普及したため情報が誰でも手に入り、運用環境が高度化し誰でも自由に売買できる時代であるからこそ、ますますこうした商品は成立しないというわけです。

これはつまり、「安全×確実×高利回り」という話を持ちかけられた場合に、ウソがある可能性を示しています。皆さんのところにもし、こうした一見すると有利な情報がもたらされたとしたら、「これはもしかすると詐欺ではないか」としっかり考え直してみることが大切です。

本当にそうした商品があるのでしたら、戸別訪問営業、電話営業など不要です。ホームページに告知をするだけで、情報はあっという間に広がり、労せずして販売ノルマは達成できるからです。わざわざ手間のかかる戸別訪問や電話営業をする必要はないわけですから、あなたにだけおいしい情報が届かないと考えるのが自然です。

金融商品を媒介した詐欺は、いわゆるオレオレ詐欺(振り込め詐欺)の減少に伴い、増加の傾向があります。こうした詐欺は金融商品を間にはさむため、大もうけの可能性がありうるように錯覚してしまいがちです。

しかし、自分の頭を使って、逆転の発想で考えてみれば、おかしなことが分かるはずです。やはり「高利回りは安全でも確実でもない中、目指す」しかないと考えてみてください。リスクから逃げずに、ちゃんとつきあっていくことが必要なのです。
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