肺炎球菌とは
肺炎球菌ワクチンの効果と接種方法で既に説明しましたが、この菌によって起こる病気は下記のとおりです。- 気管支炎・肺炎
- 副鼻腔炎・中耳炎
- 髄膜炎
- 骨髄炎(菌が骨の中に入る)
- 関節炎(菌が関節の中に入る)
- 敗血症(菌が血液に侵入する)
また、肺炎球菌には菌の周りを莢膜(きょうまく)という強力な膜があり、その莢膜(きょうまく)は91種類あります。子供の免疫力は強くないために製造の異なる7種類の肺炎球菌をカバーするワクチンがありますが、2歳以上では、23種類の肺炎球菌をカバーするワクチンになります。このワクチンは、2歳未満の子供では予防効果が期待できませんが、成人では、多くの種類の肺炎球菌の感染を予防することができます。
23価肺炎球菌多糖体ワクチン
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23価肺炎球菌ワクチンです(MSD提供)
含まれる型は、1, 2, 3, 4, 5, 6B, 7F, 8, 9N, 9V, 10A, 11A, 12F, 14, 15B, 17F, 18C, 19A, 19F, 20, 22F, 23F, 33Fです。参考までに、小児用肺炎球菌ワクチンに含まれる7価とは、4, 6B, 9V, 14, 18C, 19F, 23Fです。
23価で、日本に存在する肺炎球菌の約80%をカバーできます。
23価肺炎球菌多糖体ワクチンの接種時期
2歳以上で肺炎球菌による感染症が重症化する人です。- 脾臓を摘出した人
- 赤血球の形が鎌状であったり、脾臓の働きが悪い人
- 心臓や呼吸器の慢性疾患(例えば、慢性閉塞性肺疾患(COPD))
- 腎不全
- 肝機能障害
- 糖尿病
- 上記以外の病気でも感染症がひどくなる可能性のある基礎疾患のある人
- 65歳以上の高齢者
- 14日以上先に免疫抑制の治療が予定されていている人
副作用
接種部位の痛み、赤み、腫れです。発熱もありますが、1~2日で消失します。再接種の場合は、初回より接種部位に痛み、腫れ、赤みが強くなります。インフルエンザに罹った後に、肺炎球菌による肺炎で重症化するために、最近は、高齢者に勧められているワクチンです。
2014年度中に、成人用肺炎球菌ワクチンが定期接種になります。予定では10月からです。対象は、65歳の高齢者と60歳以上で心臓や腎臓、呼吸器などの機能に障害がある場合です。筋肉か皮下に1回0.5mlを注射します。
(2014年1月15日現在 追記)