できれば、この記事は読まずに遊んで欲しい 風ノ旅ビト

PS3の図

風ノ旅ビトはPS3用のダウンロード専用タイトルです。

もしあなたが、PlayStation3(以下PS3)を持っていて、そしてゲームに多少のお金や時間を費やすことに抵抗の無いぐらいのゲームユーザーであったらなら、できればこの記事は読まずに、騙されたと思って風ノ旅ビトを遊ぶことをお勧めします。というのは、風ノ旅ビトという素晴らしいゲームを紹介したいと思う一方、全てのユーザーにたった1度しか無いこのゲームとの出会いを、ほんの少しも先入観で濁らせたくないと思いますし、どんな言葉を費やしてもこのゲームの持つ表現の魅力を伝えることはできないかもしれないと考えるからです。

それでも、やっぱりどういうゲームか分からないと手を出しにくいという人の為に、この記事は書くことにします。もし途中で興味を持ってプレイしてみたいと思ったら、やっぱりその時点で読むのはやめて、すぐにゲームを遊ぶことをお勧めします。できれば、遊び終わった後、また読みに来ていただければ幸いです。

ソニー・コンピュータエンタテインメントからPS3用タイトルとして配信されている風ノ旅ビトは、1,200円でPlayStation Storeからダウンロードでき、たった2時間で終わります。ゲームはこれ以上ないというぐらいにシンプルで、知恵を絞る複雑な謎解きもなければ、大仰に語られるストーリーもなく、悪の大魔王もいないし、過激な銃撃戦もありません。それどころか、主人公は一言もしゃべりません、誰かと会話することもありません。

風ノ旅ビトという言葉の通り、おおむね、風にのって旅をする、先へ先へと進む、ただそれだけのゲームです。ただそれだけのゲームなのに、大変に濃い体験がそこにはあります。

砂漠の上にポツン

風ノ旅ビトの図

赤い布に身を包んだ不思議な人物を操作して進みます。

ゲームを始めると、砂漠にプレイヤーキャラクターがポツンと座っています。真っ赤な布に体を包んだ不思議な感じの人です。ただの砂漠ですが、イラストレイターが描いた絵のような風景がゲームの世界観を伝えます。ですが、黙っていても何も起こりません。スティックを動かすとプレイヤーキャラクターはすっくと立ち上がり、細く可愛らしい足でトテトテ歩きます。なかなか心地よいモーションです。あたりを見回しても砂ばかり。何をしろとも、どこに行けとも言われません。

しょうがないので、目の前にある丘に上ると、視界が一気に開けます。遠くには高くそびえる山が。頂上が明るく光り輝いています。そこでなんとなく、あの山に向かって旅をしていくんだと、そんな気持ちになって歩を進めます。

しばらく行くと、赤い布がヒラヒラと舞っている場所があります。プレイヤーが体に巻いている赤い布と同じような、赤い布です。○ボタンを押すと布が反応して、風に乗って短くですがふわっと飛ぶことができます。それからは広い砂漠の中で、赤い布を目印に、次々と風にのって旅をしていくことになります。

ゲーム中、ほとんど言葉はありません。最初の方にシンプルな指示で、×ボタンでジャンプ、○ボタンで仕掛けを起動といった最低限の操作のガイドがあり、その後はただただ自分で感じて、前に進むだけのゲームです。

そのただ進んでいくだけのゲームですが、そこにはかけがえのない旅が待っています、