B型肝炎とは
体の右側にあって、体に有害なものを無害にしています
ワクチンのある肝炎として、A型とB型がありますが、A型肝炎は食事などで感染し、急性肝炎が多いですが、B型肝炎は、肝臓に長く感染し、慢性肝炎になることがあります。B型肝炎は、「Hepatitis type B」を略して、HBとも呼びます。
詳細はAll AboutのB型肝炎サイトを参考にしてください。ここでは、HBワクチンの必要性を話すとともに、B型肝炎の症状や治療などについて説明したいと思います。
B型肝炎ウイルス感染時の初期症状・症状・経過・死亡率
B型肝炎ウイルスは、ヘパドナウイルス科オルソヘパドナウイルス属に属するDNAウイルスです。B型肝炎ウイルスのある血液、血液の成分を介して、感染します。感染すると、約30%の人が急性肝炎と言って、黄疸、発熱、倦怠感、発熱などが見られます。多くは自然に治ってしまうのですが、約2%の人に肝炎が急速に進行し、肝臓が数日で機能しなくなる劇症肝炎があります。劇症肝炎になってしまうと死亡率が70%と重症な肝炎です。肝炎ウイルスに感染した人の10~15%に慢性肝炎、肝細胞がん(肝ガン)、肝臓が炎症で細胞が無くなって固くなってしまう肝硬変になってしまいます。
B型肝炎ウイルスを持っている女性が妊娠、出産する時に、新生児にB型肝炎ウイルスが入ってしまい、ウイルスを持った共存状態になるキャリアーになってしまいます。キャリアーになってしまうと、感染力を持ち、自らも慢性肝炎、肝細胞がん、肝硬変になってしまう可能性があります。
B型肝炎の検査
血液検査で肝炎の状態がわかります
肝炎になると、GOT(AST)、GPT(ALT)と呼ばれる肝臓に含まれる酵素、黄疸の判定になる総ビリルビン値(T-bil)、直接ビリルビン値(D-bil)は上昇し、肝臓の機能を示す酵素であるコリンエステラーゼ(ChE)が低下します。よく検査用紙に書かれているアルファベットです。
肝硬変かどうかは腹部超音波検査、腹部CT検査を行ったり、最終的には、肝臓の一部を採取する肝生検を行います。これは、超音波で確認しながら針を皮膚から刺して、肝臓まで達すると小さなハサミで一部を採取する方法です。
B型肝炎の感染状態を見るために、ウイルスそのものの表面に出ているマーカーを検査します。ウイルスの表面に出ているのは、HBs抗原、HBe抗原、HBc抗原です。そのマーカーに対する体の反応としてHBs抗体、HBe抗体、HBc抗体があり、これらの抗体があると、感染予防状態になったり、治ったことを証明することができます。
急性肝炎:
発症時にHBs抗原(+)、HBe抗原(+)、1-2ヵ月後でHBs抗原(-)、HBe抗原(-)、HBe抗体(+)、HBs抗体(+)となり、治っていきます。
キャリアー:
多くは、自身の免疫が強くなる10~30歳代に一過性に強い肝炎を起こし、HBe抗原(+)→HBe抗体(+)になり、30歳以上なってから、HBs抗原(+)→HBs抗体(+)になり、肝炎を起こさずに落ち着いた状態になります。しかし、10~20%程度で慢性肝炎となり、肝硬変、肝臓がんの危険性が高くなります。
一般に、抗原が陽性の場合、感染力があります。HBe抗原(+)の血液による感染力が強いです。
B型肝炎の予防・治療
急性肝炎の場合には、肝臓を保護する治療が中心で、安静、点滴、肝臓を保護する薬、劇症肝炎では肝移植しかない場合があります。B型慢性肝炎に対する有効治療は、インターフェロンとB型肝炎ウイルスDNAに対する薬です。しかし、完全に体内からB型肝炎ウイルスをゼロにすることができません。
詳細はB型肝炎の治療法・薬・助成を参考にしてください。
まずは発症させないためにも、B型肝炎ワクチンで予防を行うことが必要になります。