タッチ操作とタブレットに強く意識したMetro版IE 10
Metro版IE 10は先に紹介したように、Windows 8のスタート画面にあるInternet Explorerのタイルから起動します。タッチ操作を考えられているMetro版IE 10は、操作はすべて指の操作することを前提とされています。たとえば、画面のデザインもその一つです。1ページ目でも画像を掲載しましたが、通常は縁もツールバーも表示されず、画面いっぱいにWebページが表示されます。指ではウィンドウの細かなサイズ指定もしにくいので表示エリアは最大で固定したほうが確かに見やすいですが、ここまでそれを徹底したWebブラウザは過去に記憶がありません。
また、画面を指で上にスライドさせたり、マウスでクリックすると、1ページ目の画像のようにそっけないモノクロのURL表示や進む・戻るボタンが表示されます。これも指での操作を考慮したためかデスクトップ版と比べてウィンドウやボタンが大きく表示されています。表示されているボタンでは、目新しいところでピン止め機能があります(参考:Windows 8はWindows 7からどこが変わったのか?)。
機能面では、Windows 8の新機能「チャーム」を活用していることを取り上げておきます。これはマウスを画面右上にかざすか、タッチパネルを右からスライドさせることで表示されるショートカットで、使用しているアプリによってそれぞれの機能が変わるというものです。
たとえばMetro版IE 10からチャームを呼び出すと「検索」ボックスは直接Webページの検索を実行しますし、「共有」からはメールでWebページのプレビューやURLなどを電子メール経由で送信することができます。また、「デバイス」を使えば閲覧中のWebページの印刷ができます。
また、AdobeのFlash(フラッシュ)などに代表されるプラグインをすべて廃止したのも大きな変更点でしょう。タブレットの先駆者であるiPadでもプラグインが排除されていますが、タブレット操作を前提としたMetro版IE 10もそれに倣った格好となりました。
ちなみにマイクロソフトは、自社でもFlashに競合するプラグインとしてMicrosoft Silverlight(マイクロソフトシルバーライト、以下Silverlight)を提供していますが、これもMetro版IE 10では動きません。
そのため、プラグインを利用するWebページでは動画や音楽などが表示されませんし、ページ全体がFlashやSilverlightで作成されたページはそもそも開くことが出来ません。
なぜこのようにプラグインを排除したかというと、インターネットの歴史を少し紹介する必要があります。そこで次のページで、プラグインとインターネットについて簡単に説明します。