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よく眠れていますか? 3月18日は「春の睡眠の日」です

「春眠暁を覚えず」というように、春は眠りに適した季節です。そのため2012年から3月18日は、「春の睡眠の日」となりました。これを機会に、快眠のためのコツと最近話題の睡眠障害について、ご紹介します。

坪田 聡

執筆者:坪田 聡

医師 / 睡眠ガイド

今年から始まった「春の睡眠の日」

梅の花

今年は春から、睡眠の改善に取り組んでみませんか?

よりよい睡眠について多くの人に知ってもらうため、睡眠健康推進機構が2011年に「睡眠の日」を制定しました。睡眠の日は1年に2回あり、春が3月18日で秋が9月3日です。3月18日は、欧米で行われている世界睡眠デーに合わせて決められました。9月3日は、「グッスリ」のゴロ合わせから来ています。

春の睡眠の日を挟んだ3月10日~3月25日は、「睡眠健康週間」です。この期間に睡眠に関するいろいろな催しが行われますが、今年は3月20日に東京のアルカディア市ケ谷で、「春の睡眠の日・市民公開講座 2012」が開かれます。

この講座では、睡眠のスペシャリストたちが次のテーマで講演を行います。
・ 不眠はうつや自殺につながります ~睡眠の重要性
・ 昼間眠くて困る ~過眠症について
・ 睡眠中の異常な行動 ~寝ぼけとむずむず脚症候群
・ 睡眠中に呼吸が止まる ~睡眠時無呼吸症候群と生活習慣病
・ 子供の成長に睡眠は大切です ~子供の睡眠障害

この市民講座を聞けば、睡眠に悩みがある人もそうでない人も、きっと何か快眠のヒントをつかめることでしょう。

快適に眠るための7つのポイント

快眠

7つのうち1つでもできれば、グッと睡眠の質が良くなります

インターネットなどには、睡眠に関する情報があふれています。しかし残念なことに、その中には間違った情報も少なくありません。正しい情報を集めて厚生労働省が、「快適な睡眠のための7箇条」という睡眠の指針を作っています。ここでは、その7箇条についてご紹介します。

1.快適な睡眠でいきいき健康生活
グッスリ眠ってスッキリ目覚めれば、ストレスが減って疲労も回復しやすく、ミスや事故が防げます。逆に睡眠に問題があると、生活習慣病をはじめとした多くの病気にかかりやすく、寿命も短くなってしまします。

2.睡眠は人それぞれ、日中元気はつらつが快適な睡眠のバロメーター
健康な人の多くは、7時間前後の睡眠をとっています。しかしこれは統計的な値でしかないので、あまりこだわり過ぎてもいけません。睡眠は本来とても個性的なものですから、自分に必要な睡眠時間を知り、しっかり眠ることが大切です。

3.快適な睡眠は、自ら創り出す
生活の習慣や寝室の環境によって、睡眠の質が大きく変わります。カフェインは夕食以降は控えて、睡眠薬代わりの寝酒もやめておきましょう。不快な音や光を防ぐためには、耳栓やアイマスクが有効なことがあります。

4.眠る前に自分なりのリラックス法、眠ろうとする意気込みが頭をさえさせる
眠る1時間前にぬるめのお風呂に入ったり、眠る直前に軽くストレッチングをしたりして、体と心をほぐすと寝つきがよくなります。逆に、刺激的なテレビやゲーム、仕事のメールチェックなどは、緊張を高めて眠気を減らしてしまいます。

5.目が覚めたら日光を取り入れて、体内時計をスイッチオン
朝、強い光を浴びると、睡眠ホルモン・メラトニンが減って目が覚めてきます。また、光が体内時計をリセットしてくれるので、スムーズに新しい1日が始まります。朝に光を見て14~16時間たつと、今度はメラトニンが増えてきて自然に眠くなります。

6.午後の眠気をやりすごす
昼食後に眠くなるのは、自然な眠気のリズムです。午後3時までに若い人なら15~20分、高齢者でも30分までの昼寝をすると、午後の眠気が軽くなります。3時のおやつにコーヒーやお茶を飲むことも、眠気対策になります。

7.睡眠障害は、専門家に相談
不眠が2~3週間も続くときには、うつ病や生活習慣病などの病気が隠れていることがあります。早めに医師に相談しましょう。日中の強い眠気や、睡眠中のいびき、足のむずむず感なども要注意です。

いろいろある睡眠の障害

睡眠障害

まずはかかりつけ医に相談し、ダメなら睡眠専門医に診てもらいましょう

睡眠障害を起こす病気は、80以上もあります。その中で最近、注目を集めている病気をいくつかご紹介します。

・ 睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に何度も息が止まってしまい、グッスリ眠れなくなる病気です。夜は大きないびきがベッドパートナーを苦しめ、日中は強い眠気のためにミスや事故を起こす危険が高まります。大きないびきや睡眠中の無呼吸がある人は、事故を起こす前に睡眠専門医の診察を受けましょう。

・ むずむず脚症候群 (レストスレッグ症候群)
夕方から夜にじっとしていると、足がむずむずしたり変な感じがする病気です。足を動かしたり歩いたりすると症状が軽くなりますが、むずむず感のために眠っていられなくなります。脳の中のドーパミンという神経伝達物質が不足するために起こると、考えられています。

・ ナルコレプシー
日中に突然眠ってしまう睡眠発作や、笑ったり怒ったりすると体の力が抜けてしまう情動脱力発作、いわゆる金縛りの睡眠麻痺、寝入りばなに変なものが見える入眠時幻覚などの症状を起こす過眠症の1つが、ナルコレプシーです。覚醒物質の1つであるオレキシンの機能異常が原因です。

・ レム睡眠行動障害
健康な人は夢を見ているときには、あまり体が動きません。脳と体の筋肉をつなぐ神経が、シャットアウトされているからです。ところがこの病気の人は、夢と同じ行動を眠りながらやってしまいます。そのため隣で眠っている人を殴ったり、歩き回ってタンスにぶつかってケガをしたりします。

・ 睡眠相後退症候群
体内時計が遅い時間帯にズレてしまい、ひどい夜更かしの朝寝坊になる病気です。長い休み中の不規則な生活習慣が、引き金になることがよくあります。朝起きられないため不登校や欠勤を繰り返し、引きこもりやうつ状態になることもあります。


【関連サイト】
睡眠健康推進機構 ねむりんねっと
快適な睡眠に効く7つのポイント

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