ドライブを盛り上げる、もうひとつのこと
人かげもみえない時間帯ならば、ブティック街の交差点でもドライビングファンが味わえる。ゆっくりとステアリングホイールを切り込めば、車体がリニアな反応をみせる。それを誰にも邪魔されることなく、じっくりと嗜むのだ
10スピーカのうち、実に8つが前後ドアに埋め込まれた。4cmのツイーターと16.5cmの中低音域用スピーカーの組み合わせが、各ドアに装備されている。残り二つは、ダッシュボード中央の8cm中音域用スピーカとスペアタイヤリム内の11.5cmウーファーだ
これらはすべて、ワインディングロードなどに出向かなくとも、たとえば人出前の早朝のような交通量の少ない時間帯を狙えば、都会でだって楽しめるもの。いわゆるホットハッチが、都会派スポーツカーと言われる所以である。実用、ときどき、ドライビングファン……。
早朝ひとりのドライブを盛り上げてくれるのは、何もエンジンサウンドやハンドリングレスポンスだけじゃない。クワドリフォリオに標準装備されている10スピーカーのボーズサウンドシステムも、格好のパートナーである。
国産車からアルファロメオ8Cコンペティチオーネまで、かねてからボーズのスピーカーシステムを愛用してきたボクが最も気に入っているのは、ボーズのシステムが、クルマの官能的なサウンドと好きな音楽とを共存させてくれる点にあった。要するに、音楽がクルマの邪魔をしない。それでいて、歌や楽器がよく耳に届く。