先進医療は厚生労働省が定める評価療養の1つで、「保険給付の対象とすべきものであるか否かについて適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養」となっています。特徴として、先進医療技術については全額患者の負担となるものの、将来的な保険導入のための評価を行うものとして、先進医療以外の部分は保険診療との併用が認められています。先進医療については、先進医療の保障は必要なのか!?でも詳しく取り上げています。
先進医療費用は過去5年で2倍へ
先進医療に関しては保険会社が保険商品を通じて情報発信をしてきたこともあって、かなり認知度が上がり、先進医療の保障に加入している人も増えました。しかし、保険料が安価なこともあって加入したものの、実際に役立つかどうか(使う機会があるのかどうか)の情報が少なく、不安に感じている人もいるかと思います。そこで、厚生労働省の『第62回先進医療専門家会議議事次第』から、先進医療の実績に関するデータを集めてみました。最初は過去5年間の先進医療実績(第二項と第三項の計)の推移です。
先進医療は技術内容や数が増減する為、技術数や全患者数は一貫した動きになっていませんが、先進医療の総額は約98億円で、過去5年で約2倍に増えています。ただ、国民医療費の総額が約35兆円にもなることから、医療費の額としてはまだ小さいと言えます。陽子線治療の実施件数は3倍へ
先進医療は技術によって費用の差が大きく、その中で特に高額なものとして、がんの「陽子線治療」と「重粒子線治療」が有名です。陽子線治療と重粒子線治療の過去5年の実施数をみると、陽子線治療は平成18年の533件から平成23年の1508件へ約3倍、重粒子線治療は平成18年の453件から平成23年の873件へ約2倍になっています。治療ができる医療機関が増えたことと、それに伴い認知度も上がってきたことが、増加の主な要因かと思われます。、
陽子線治療や重粒子線治療を含めた主な先進医療の治療実績を次のページでまとめてみました。
>>主な先進医療の治療実績