普通預金は便利だけど低金利
普通預金から、イチ抜けた!
キャリアウーマンで収入が多く、仕事が忙しすぎてお金を使う時間もなかった彼女は、気が付いたらアラフォー、そして給与振込口座の残高が、シングル用のマンションを買えるくらいの金額になっていたとか。
このケースはかなり特殊としても、ATMで現金をおろして使う以外は、通帳の記帳もほとんどせず、給料の残りは普通預金に置きっぱなしの人は多いようです。これでもよかったのは、つい最近まではデフレと低金利が続いてきたからです。
預金の金利は、同じときに預けたのであれば、普通預金よりも定期預金の方が高いのが原則。普通預金はいつでも出し入れができ、給与を受け取ったり、クレジットカード代金の引落しができるなど便利ですが、便利な分、金利は低いのです。これに対して、定期預金は、一定の期間、お金を預けるかわりに、普通預金よりは金利は高くなります。
ところが、超低金利のため、普通預金と定期預金の金利差は、どんどん小さくなり、現在は、普通預金0.02%、1年の定期預金0.025%、10年の定期預金0.15%と、0.005~0.13%の差しかありません(都市銀行の場合。2014年6月19日現在)。
定期預金の金利は、原則、期間が長くなるほど高くなるので、10年物ではさすがに普通預金の7.5倍ですが、それでも1%以下。わざわざ定期預金に預け替える気にならないのも、わからないではありません。ただ、今後金利が上昇した場合は、金利差は開いてきます。お金を分けておくという点でも、まとまったお金は定期預金に預け替える方がおすすめ。
また、金利の上昇を先読みする形で上がるのが株価です。最近は、国債や社債に興味を持ち、比較的安全でありながら預金より高い金利が付く金融商品として活用している人も増えています。
様々な要因により例外が生じることはありますが、原則として、金利の水準は、普通預金、定期預金、国債、社債の順に高くなるものです。株式は価格の変動が大きいですが、その分、値上がり益を金利に換算すると、最も大きな利回りが得られる可能性があります。
手始めとして、普通預金の残高が増えてきたら、貯める目的に応じて、複数の金融商品に預け分ける練習を今から始めておきましょう。
脱・普通預金で10年後、20年後に大きな差ができる
どれくらい貯まったら定期預金にするかは、その人の生活スタイルにもよりますが、目安は生活費1~3か月分程度でしょうか? クレジットカードをよく使う人は、引き落し不能にならないよう、普通預金にある程度の残高を残しておきたいもの。そして、定期預金に預けるとき、活用してほしいのが総合口座です。現在、銀行口座を作ると、総合口座をすすめられることがほとんどのはず。総合口座は、普通預金と定期預金、銀行によっては貯蓄預金がセットになっていて、総合口座の定期預金に残高があれば、普通預金の残高が足りなくなったとき、自動的に定期預金の9割までを融資してもらえる仕組みです。普通預金に入金すれば自動的に返済されます。借入金利は、定期預金の金利+0.5%。こうしておけば、いざというときも安心です。
総合口座の定期預金に生活費の3か月分程度を預け入れて備えをしておき、それ以上の分は、目的に応じて、いろいろな金融商品を活用しましょう。
一口に定期預金といってもいろいろあります。インターネットで預けるネット定期は、都市銀行の定期預金よりも高金利。現在の金利水準は0.2~0.4%程度です。宝くじ付きの定期預金、懸賞金や景品が付く定期預金もあります。退職金に限定して金利を高くしたり、取引内容に応じて金利の優遇サービスを行う銀行もあります。利用できる優遇サービスやキャンペーンがないか探すのは楽しいものです。
100万円を1年間預けた場合、0.1%の金利差なら、利息の差は1000円、1%の金利差なら、利息の差は1万円。元本が1000万円なら、やはり1年後、0.1%の金利差で1万円、1%の金利差で10万円違ってきます。
元本が大きいほど、利息が利息を生む複利運用では時間がたつほど、さらに金利差による受取利息は違ってきます。普通預金から脱して、金利に敏感になりましょう。10年後、20年後の資産に大きな違いがでてくるはずです。
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