言葉で傷ついた時は、まずは、ダメージを広げない。そしてダメージが大きくなってしまった真の問題には、背を向けないで、向き合いたいものです
もっとも誰しも何らかの対処法を心得ているもの。もしも、相手から言われた、その言葉が、ずっと頭から離れないような時は、心のケアが必要です。
今回は、傷つく言葉を言われてしまった時、そのダメージを最小限にとどめるコツを分かりやすく解説します。
まずはダメージをチェック!
誰にでも、これを言ってはいけないという言葉があるもの。それを言われれば、一日、その事が頭から離れなくなってしまうかも知れません。それでも、一夜、明ければ、また、普段通りになれば、まず心配は要りませんが、もしも、翌日も、その言葉が頭に残っているようなら、ダメージが深刻化してしまう可能性もあります。その言葉を言われて以来、以下のような症状は無かったでしょうか?- 気持ちが落ち込みやすくなった
- 寝つきが悪くなった
- 睡眠が浅くなった
- 夢に出てきた
- その事が、ふとした拍子に頭に浮かんだ
- 目先の事に集中できなくなった
- ちょっとした事でイライラするなど、神経が過敏になった
- その時の記憶が一部抜けている
- 普段の自分では無いような気がした
なぜダメージが大きかったかを理解してみて
もしも、上記に挙げたような症状のうち、それが幾つも数日間持続するようなら、ダメージが深刻だったと言えます。ただ、ここで注意したい事があります。同じ言葉でも、ある人は、ちょっとムッとした程度で済むのに、ある人にとっては、ダメージが大きくなってしまう事です。一例として、親戚同士の集まりで、「おばちゃん、太ったね」と、幼児が20代の女性に向かって言ったとします。さて、相手は小さな子供。そこは大人の態度を取られるでしょうが、内心、カチンと来てしまったかも知れません。ただ、カチンの程度は人それぞれ。すぐにその事が気にならなくなる人もいれば、その言葉が心にグサリと刺さってしまって、その傷が、なかなか癒えない人がいるかも知れません。
そうした場合、自己のナルシスト的気質が傷ついた、あるいは、何らかのコンプレックスが刺激されてしまった可能性もあります。また、その時の気分も関係するでしょう。何か良い事があったばかりで、気分が良い時は、そんなに腹が立たなくても、朝から一日イライラしていたら、そのイライラにとどめをさされた可能性もあります。
ダメージを広げない! そして真の問題に向き合いましょう!
上記の例で、幼児の言葉で、怒りに火が付いてしまったとします。「一体どんな躾をしているの?」と、あとで幼児の親に食ってかかれば、「小さな子供から見れば、みんな、おじさん、おばさんよ。それに、あなた、太ったのは確かね」などと、言い返されて、おしまいかも。怒りのやり場が無いまま、ウチに帰れば、箱ごとアイスクリームを食べてしまった、あるいは、デパートで衝動買い、場合によっては、それだけで済まず、やけ酒をして、どうやって帰宅したか覚えが無い……。こうした行動は冴えない気分を更に冴えなくさせ、それが、再び問題行動を取らせる傾向があります。この悪循環は何としても避けたいもの!その為には、冴えない気分を発散させる手段には慎重を期して下さい。有酸素運動、カラオケなど、個人個人に適したもので、なおかつ、長期的に見て、日常生活に深刻な問題を起こさないものを、普段から取り入れていきましょう。そして、心が大きく傷つく、真の原因であった、何らかのコンプレックスや心の葛藤には、敢えて目を背けず、現実は現実として受け入れて、自分の心の痛みだけでなく、他人の痛みも感じられる余裕を持ちたいものです。
最後に、もしも心が大きく傷ついてしまった場合、心の病気に近くなる可能性もある事には、ご用心下さい。例えば、もしも、気持ちが冴えず、イライラが強くなり過ぎて、やるべき事が手に付かなくないといった状態が、2週間以上持続しているようなら、うつ病などの可能性もあります。是非、精神科(神経科)受診をご考慮ください。