転職のノウハウ/転職活動を始める前に

転職理由ナンバーワンの真相(2ページ目)

転職理由にあげられる理由のうち、最も多いのが職場の人間関係です。つまり、今の会社の上司や部下、同僚と一緒に働きたくないというのです。これを好き嫌いの問題、価値観の不一致と片付けるのは早計かもしれません。転職理由ナンバーワンとも言われる職場の人間関係の問題は、実はもっと本質的な真の理由があります。

小松 俊明

執筆者:小松 俊明

転職のノウハウ・外資転職ガイド

 

価値観の一致よりも大切なものがある

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価値観の一致はハードルが高い

別の例で考えてみましょう。私は職業柄、中途採用の現場を見てきましたが、やはりタイミングがすべてであると感じることがたくさんありました。どんなに募集要件にマッチした優秀な人物であったとしても、面接するタイミングを1週間逃した結果、先に他社に決まってしまって採用できなかったという話は、世の中には掃いて捨てるほどあります。それだけ物事を判断するスピードは、結果に対して影響力があるということになります。

そもそも職場で一緒に働く相手に対して、価値観の一致を求めるのはハードルが高いでしょう。仕事で効率的に協業し、高い成果を出そうと思うなら、むしろ相手の「スピード感」を確認するのがいいかもしれません。もしテンポが合う相手であれば、仮に互いの経験値に差があったとしても、お互いにできることを補完し合って大きな成果を出せる可能性があります。つまり、理想的な上司と部下の組み合わせも「スピード感の一致」で決めるべきなのです。

転職先もスピード感に注目して選ぶといい

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仕事の成果が出せる職場を選ぼう

仕事で成果を出すのが職場であり、チームワークは相乗効果を生むために発揮するものであるから、チームを編成するときは「スピード感」が一致するもの同士でメンバーを決めるのがいいでしょう。中途採用で外部から人材をとるときも、同様のポイントに配慮すると採用の失敗が減るに違いないし、転職先を選ぶ時も注目すべきは「スピード感」なのです。

実際、どんなに価値観が一致していても、仕事で成果が出なくなると職場の人間関係は悪化するものです。職場は仕事をやるために人が集まっているのであって、趣味や仲良しクラブではありません。会社には共通の目標があり、必ず成果を出さなければならないのです。つまり、仕事の成果が出なければ、そのグループは存続できず、解散するしかないということになります。

これは逆に価値観が多少合わないもの同士でも、成果さえ出していればグループとして思いのほか長続きすることを示しており、ただやりやすい相手、価値観が合う相手というだけでチーム編成をすることにはリスクがあることを教えてくれます。

転職をしたいほど職場の人間関係に悩んでいる人は、今の自分に何が一番足りないのか、何を改善しなければならないのか、ぜひ一度新しい視点で考えてみてはどうでしょうか。

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