暮らすように旅する

町家

近藤高弘の作品の向こうは鴨川越しの宮川町の夜景

ソファの置かれたリビングの窓の外は鴨川。
夏には、周囲には川床が張り巡らされる、あの場所だ。
テラスに置かれた近藤の作品が氷のごとく煌き、その向こう、東山の上に月が輝く。
照明は少し暗めにしておこう。
2階は寝室。
和室に真っ白なデュベが掛けられた布団が並んでいる。

町家を借りる際、初めてなら、昼間に町家の前で「庵」の担当者と待ち合わせ、鍵を借り、内部を案内してもらっておくと格好がいい。その後で、京都に着いた彼女をエスコートするというあんばい。
そうでないと、この町家に3階があることに気づかない。

町家

ホタルのように妖しく光るアート作品(万象の町家)

家の隅の扉を開けると、そこには階上へと続く狭い階段がある。

窓のない屋根裏の3階には、ガラスアート。
「ホタル」と名付けられた作品が妖しく光る。
鑑賞用にと、椅子が2脚置かれている。
屋根裏でワイン、なんていかがだろう。 

 

町家に出前

食事は、特にここという店を決めていないのであれば、近所に出かければいい。
すっぽん鍋のたん熊や濃厚な鳥鍋を出す鳥彌三といった老舗もいいし、気楽に中華が味わえる大傅月軒の個室でもいい。

もし、アートを眺めながら食事がしたいというなら、ミシュラン三ツ星の名店瓢亭の流れを組み、日本画家今尾景年邸に店を構える懐石瓢樹から、オードブルの仕出しを取るのはいかがだろう。ミシュランの店から出前を取るような粋はなかなかできないが、事前に頼んでおこう。

合わせて、日本一粋な朝食も頼んでおくとよい。
南座の楽屋の役者御用達のコーヒーショップナカタニのサンドイッチを、同じように、コーヒーポットとともに岡持ちで届けてくれるのだ。5人前からなので2人なら心もち多いが、昼用に取っておけばいい。町家暮らしも様になる。

「また来ようね」

そんな彼女のひと言に背中を押されながら、11時にチェックアウト。
ある場所に鍵を落としておくだけで、町家を後にする。

アート町家ステイが終わった後は、桜の季節。
今度は、白川の桜が映える「祇園新門前」の町家を予約しておこう。

京都・京町家ステイ・アートプロジェクト
運営:「庵」(いおり)
住所:京都市下京区富小路通高辻上ル筋屋町144-6
電話:075-352-0211
地図:Yahoo!地図(筋屋町町家)
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