この3年で日本人の米ドル資産は28%も目減り
リーマンショック以降、世界的なリスク回避の動きから円が買われ、ほぼすべての通貨に対し大きく円高が進行。日本人が保有する米ドル資産は、この3年半でざっと28%目減りしていることになります。高金利通貨として人気の豪ドルも、リーマンショック前に比べまだ17%の円高水準。「欧米の債務問題はまだまだ長引きそうだし、為替の方向性は不透明……外貨建て資産はもう手放してしまったほうがいいのかしら?」という声をよく聞きます。
外貨資産を手放すことでかかるリスクも
円安基調になったときに物価が上がってしまう。これもキケンです
そのかわり、今後はずっと低い利回りしか期待できないでしょう。
円高基調がいつまでも続くわけではありませんし、将来的には少子高齢化や財政問題等により円安が大幅に進むだろうという見方もあります。円安は国内の輸入品価格を押し上げるため、インフレが起こる可能性が大きくなります。そうなれば円資産しか持たない家計が大きなダメージを受けるかもしれません。
グローバル経済時代においては外貨資産を手放すこともまたリスク。
近々使う用途の決まっている資金で投資しているなら別として、長期間おいておける資金であれば、自分の資産を守るための保険として外貨資産の保有は続けたいものです。
ただし、金融資産全体における外貨資産の割合は自分のリスク許容度に合っていることが大事。「目減りが心配でしかたない」という人などは少しずつ売却していき、落ち着いて見ていられる金額まで比重をおとすことを検討しましょう。