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トップインタビュー~小僧com株式会社 平松庚三編~

日本経済を元気にするトップインタビューシリーズ。今回は、小僧com株式会社代表取締役会長兼社長の平松庚三氏。ライブドアショックの後、堀江氏から社長のバトンを受け取った人物です。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

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日本経済を元気にするトップインタビューシリーズ。ガイドが独自の視点で選んだ、新しいことに果敢にチャレンジし続けている企業のトップを紹介していきます。

今回は、小僧com株式会社代表取締役会長兼社長の平松庚三氏。小僧com株式会社は「50、60はハナタレ小僧、30、40はヨチヨチ歩き」という考えに共感し、人生の後半戦を楽し過ごそうとしているシニアが集う場所「小僧SNS村」を運営しています。その会長兼社長を務める平松氏は、ライブドアショックの後、堀江氏から社長のバトンを受け取った人物。「再生屋」と言われた平松氏が、トップとしていつも考えていたことは何か?これまで最も重要な決断をしたのはいつなのか?起業するとき、何を考えるべきなのか?平松氏に聞きました。

【経営者として考えたこと】チームが一番大事だと思いましたね

小僧comの平松庚三会長

小僧comの平松庚三会長

僕はずっと雇われ社長でした。会社を短期で再生させるのが、僕の仕事だったのです。だから「職業は何ですか?」と聞かれたら「経営者」という答えが妥当でしたね。
経営者の立場で、これまでいくつかの会社を再生させた経験があるので、どんな会社の社長もできると思います。今まではIT業界にいましたが、カメラでも机でも下着でも売れるでしょうね。よく自分が自社商品を使ってみて惚れ込まないと物は売れないといいますけど、それは嘘ですよ。だって、僕は売ってきましたから。それにワコールの社長は男性ですが女性の下着をつけていますか? 資生堂の社長も男ですが口紅はつけてませんよ。

僕は今までチームをつくって目標を立てて、それに達成するための戦略を練って、戦術を考え、実行して評価する。この流れを軸に経営をしてきました。そして同時にマーケットがどうなっているのか、会社のポジションはどうなっているのか? 競合は?という現状の認識と問題点の把握をしながら仕事を進めてきました。弥生のときもライブドアのときもそうしてきました。その一連の作業の中でも一番重要なのはチーム作りだと思いますね。

僕がチームを組むときには、個人的な友達でない、自分よりも何かしらの能力が高い、自分に対してNoと言える、この3つの条件を満たす人を選んできました。結局野球と同じです。勝つためには必要な時に監督にNoと言えるコーチがいないといけません。それに、みんながイチロー選手では勝てないのですよ。いろいろな能力を持っている人がいるから強いチームができるのです。

僕がここまでやってこられたのは、「運」もあると思います。本当に優秀な人が来てくれました。なぜ来てくれたのか…。これも運が良かったからでしょうね。とはいっても、運が悪いときもあります。この人が来たから…というのもありましたけど、事が大きくなる前に去ってくれたから、これも運が良かったと思っています。

【決断】ソニーを辞めることが一番の決断でした

人生を変えた決断は、やっぱりソニーを辞めたときですね。世の中も僕も、ソニーという大きな企業に入社したら定年まで辞めないという感覚でしたから。その後アメックス(アメリカン・エキスプレス・インターナショナルジャパン パブリッシング・ディレクター、旅行部門・コーポレートカード部門担当)の副社長になりましたが、アメックスの副社長になることが決断ではなくて、ソニーを辞めることが決断でした。

日本人の大半は会社を辞めようとしませんが、もし辞めるのであれば、収入もポジションも上がるように、つまり右肩上がりなるように辞めるべきです。会社が嫌だから辞める、現実から逃げるために辞めるのではありません。そういう人は収入もポジションも上がりませんよ。なぜならば会社を辞める明確な目的がないからです。仕事でもなんでもそうですが、目的を持つことです。自分で作った自分のための戦略に基づいて転職するべきです。

人生の右肩上がりを目標に会社を辞めるためには、リスクを取らなければなりません。最もリスクが高い方法が起業だと思います。今、僕は小僧comを立ち上げて、いってみれば「起業」をしたわけですが、ずっと雇われ社長だった僕が「起業」を知ったのは、90年代のITの時代に、孫さん、三木谷さん、熊谷さん、そして堀江さんといった当時の起業家に出会ったからです。彼らから学ぶことはとても多かったです。彼らは今でも僕の心の師匠です。
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