グラフはいつもと同じく縦軸が記事を書いている時点で最新の1月25~31日の視聴率、横軸は初回視聴率と最新視聴率との差で、初回視聴率はなにも見ていない段階での期待値だから、初回視聴率との差は最初の期待からどれだけおもしろかったか、またはつまらなかったかを示すはずです。
視聴率グラフ
刑事ものは手堅い
トップは『ストロベリーナイト』。以前に放送されたスペシャル版は犯罪被害経験がある姫川玲子(竹内結子)がそのトラウマを乗り越え事件を解決するのが中心でした。連ドラ版やや雰囲気が違い捜査一課の班同士の手柄争いや刑事の人間関係がメイン。心情表現が丁寧で奥深い作品に仕上がっています。テイストとしてはTBS系月曜ミステリー劇場で2002~2004年にかけて六作放送された「横山秀夫サスペンス」(原作は短篇集「第三の時効」)がよく似ています。山梨県警の捜査一課が舞台。三人の班長(渡辺謙、段田安則、伊武雅刀)を中心に、事件ごとに主役が入れ替わりながら刑事の内面と人間関係を描いたシリーズです。いずれも佳作で再放送があったら見ることをおすすめします。
秋にはもたついていた『相棒』も年が明けて鈴木杏樹が「花の里」の女将としてレギュラー入りする新展開などで盛り返し、だいたい『ストロベリーナイト』と同じような視聴率。やはり、ちゃんとできた刑事ものは手堅い。
抜擢が不発
続いて視聴率が高いのは月9『ラッキーセブン』ですが、視聴率下り坂でやや微妙な感じ。探偵ものなんだけど演出はこれまでの月9と同じノリで中途半端、豪華キャストも持ち味を出しているのは瑛太ぐらい。もっと映画ぽいつくりになるかと思っていたのですが。原因はこちらも本命視されながら低迷している『ダーティ・ママ』と共通しています。それは脚本家として若手を抜擢したこと。新しい血を入れてチャレンジすることも重要ですけど、まだ力不足だったようです。
ぶっ飛んでる
対して予想以上に検討しているのはかつて一世を風靡した野島伸司脚本の『理想の息子』。単なるホームコメディかとおもいきや、毎回ライバルがワニ、ハブなど動物映像付きで攻撃するのに主人公の鈴木大地(山田涼介)がこちらも映像付き「マザコンコアラパンチ」で倒すという「スタンドか!(ジョジョの奇妙な冒険)」といいたくなるぶっ飛んだ映像。
もう一人の主演、母親役の鈴木京香も過剰な演技でサポート、かなりアホな展開でティーン層を中心に赤丸急上昇中。ノリについていければかなり楽しめます。
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