出世する名前・医者に多い名前はある?
名前で人生が決まる!?
ある名づけ相談で、ご両親が都合で来られなくなり、おじいちゃん、おばあちゃんになる人が代理で来られ、そのおじいちゃんが「立身出世をする名前を教えてほしい」と言われました。最近あまり聞かれない立身出世という言葉を久しぶりに聞きました。また別の名づけ相談では、医師である父親から「子供も医者になってほしい。医者になる名前を教えてほしい」と言われたことがあります。
これらの方が、名前で地位や職業が決まると本気で思い込んでおられるかどうかはわかりません。ただこうした話からスタートしますと、「名づけとは何なのか」という基本の一番大事なことに触れることができず、それがいつまでも見えてこない、ということにもなってしまうのです。
名前で生き方や職業は決まらない
名前で生き方が決まるのか、しかも地位や職業まで決まるのかということになれば、そんなことを証明する統計はなく、名前の専門家も誰一人言っておられず、現実にもあり得ないことです。もしそうなら、皆が立身出世をする名前にしたら重役や高級官僚ばかり溢れて、企業も国も潰れてしまいます。医者になる名前をつけて医者になっても、他の人がみな病気や怪我をしない名前をつけたら、医者はいらなくなります。職業や地位の話とつなげながら名前をつけたら、お子さんがその職業や地位につかないかぎり納得ができないでしょう。名づけは名前そのものが気に入って、つけた時点で100%納得できる、ということが大事なのです。
名づけは親子の対話のスタート
ただ名前で生き方が決まらないと言いますと、「じゃあどんな名前をつけてもいいんですか?」「それなら専門家は何のためにいるんですか」という疑問をぶつけられることもあります。でも名前で生き方は決まらなくても、名づけの時の親の感覚、姿勢はお子さんに大きな影響を与えますから、名づけはいいかげんに考えてはならないものです。名づけは親子の対話のスタートで、言葉の通じない赤ちゃんでも、親から一方的に名前を与えるのではなく、水面下で感覚的な対話が行われているのです。本人の誕生を心から喜び、感謝の気持ちにひたって納得できる名づけをすれば、その気持ちがお子さんに伝わり、お子さんも自分の生き方に納得するようになります。これこそがよい対話であり、よい家族関係につながります。そのことをご理解いただいた上で、「名づけにはなるべく仕事の話はもちこまないほうがいいのですよ」と申しあげますと、最後はほとんどの方は、ご自分で本当に納得できる名づけをしていただけるようになります。
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