赤ちゃんの命名・名づけ/子どもの名前・名づけ相談Q&A

いい名前は消去法で決められない

どんな名づけをしたいか、その希望や条件はご本人も自分でなかなかつかめないことがあります。とくに「こんな名前はイヤだ」「こんな名づけはイヤだ」と否定文でばかり考えていますと、いつまでたっても気にいった名前を作ることはできません。

牧野 くにお

執筆者:牧野 くにお

赤ちゃんの命名・名づけガイド

あれはダメ、これはダメ、という消去法はダメ

夫婦

「読めない名前はイヤだよね。説明がしにくい漢字もダメ……」

ある名づけ相談に若いご夫婦が来られ、こんな希望をおっしゃいました。「私の名前がなかなか読んでもらえなかったので、読めないような名前は絶対にイヤなんです。それに説明の難しい字は絶対に使いたくないんです。年寄りみたいな古くさい名前も子供がかわいそうです。」

「それは正しい考えですね。ただ、それは一般的な注意事項で、だれもが守らなければならないものです。具体的な名前を作るためのご自身の条件というのはありますか?」と私が尋ねると、返ってくるお返事は、「ア行の名前はきらいです。女の子でも美の字は使いたくありません。男の子でも太で終わるのはイヤです」など。このように、したくないことを並べる人はよくいらっしゃいますが、でもそれでは具体的な名前はいつまでたっても作れないのです。
 

名づけの希望や条件は肯定文で

「今おっしゃったことは、一応意味はわかります。それを全部ひっくり返して肯定文にしたら、どういう表現になりますか? たとえばこんな響きの名前なら好きだ、というふうに。それがわかれば名前が出てきますよ」と提案させていただきました。

するとしばらく考えてから、お二人は相談しながらいろいろな名前の候補をあげはじめました。「そうですねえ、ハルカちゃんなんかどうかしら。ホノカちゃん、ユウカちゃんもいいかな。男の子だったらハルトとかユウトもねえ」

このように言っていただければ、プロはすぐご希望がわかります。
「女の子はカで終わる名前、男の子はトで終わる名前がお好きなようですね」

「あ、ホントだ。みんなそういう名前になってる」とご本人もはじめてご自分の好みがはっきりしてきました。こうなればしめたもので、話は簡単です。カで終わる名前、トで終わる名前のリストをさしあげたところ、「わあ、いい名前がたくさんある」と喜んでお帰りになりました。

名づけの希望、条件というのは、必ず肯定文で考え、具体的にいくつか書き出していけば、気がつかなかったご自分の好み、ホンネというものが見えてくることがあります。ホンネがはっきりすれば絶対に迷うこともなく、後悔のない名づけができるのです。

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