好きなのは「甘いパン」
睡眠3、4時間の日々でも笑顔のはじける須藤秀男さんと、奥さまの須藤枝里子さん。
「お菓子屋さんでもヴィエノワズリを作っていて、もともとパンに興味があったから、将来はパンとお菓子の融合したお店を自分で持ちたいと思っていました」
ブーランジェリースドウの店頭で、食パンとともに人気が高いのも、やっぱりヴィエノワズリなのだそう。朝はバゲットや食パンなどの食事パンや調理パン、あんパンなどの菓子パン、ヴィエノワズリ各種が次々に焼き上がって並べられていきますが、「甘いパンから売り切れていくんですよ」とのこと。
レジカウンターの横にはあんぱんやミルクパン、プリンなどが並ぶショーケース。
写真は「薄皮粒あんぱん」(130円)、ぎゅうひ入りの「薄皮よもぎあんぱん」(170円)、粒あんにごまペーストを加えた「薄皮黒ゴマあんぱん」(150円)など。
増え続けるお客さまに対して、人手は足りないのですが、「夫婦二人でおいしく作れる量、というのが基本です。スタッフをしっかり育てないうちに無理に拡大して、味が落ちてしまうのは最も避けたいこと」。
つくる喜び。とにかく仕事が大好き
ペルティエ時代に同僚として知り合ったお二人。
「こうやってものを作るのが天職かなと思っています。パンやお菓子を作るのが楽しくてたまらないんですよ。仕事が大好きだから、寝なくていい体だったらずっと作っていたい。お正月休みなど、働いてないと体調が悪くなってしまう(笑)」
仕事にまつわる喜びは枝里子さんも同様。「ふだん忙しいからこそ、お休みが楽しい。睡眠時間は少ないけれど、寝るのが気持ちいいなと思えることが幸せなんだと思います」
女性の職人はすっぴんで働いていることが多いけれど、「奥さんが疲れた顔をしているのは、お店として良くないんじゃないかなと思ったんですよね」と、どんなに多忙でもナチュラルメイクを心がける姿勢も素敵なのです。
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