2011年のインディ500。インディアナポリス500マイルレースは毎年5月中旬から下旬のアメリカ戦没者記念日の前日(日曜日)に決勝レースが開催されるのが伝統。決勝レースだけで最大40万人を動員するビッグスケールが有名。アメリカのフォーミュラカーレースの最高峰はインディ500を走るマシンであることから「インディカー」と呼ばれている。
「インディ500」は「モナコGP」「ルマン24時間レース」と並んで世界三大レースのひとつに数えられるが、100年という歴史はもちろん世界一長い歴史である。今回は100年目となった「第95回インディ500」をモータースポーツメディアらしくない視点で書いてみたい。「インディ500」を現地で見て、なぜモータースポーツが100年も続いてきたのか、その理由や秘密が見えてきた。
インディ500はアメリカンレースの代名詞
アメリカではストックカーレースの「NASCAR」が高い人気を誇っている。その開幕戦である「デイトナ500」(フロリダ州)も60年近い歴史があり、アメリカでは非常に知名度の高い国民的スポーツイベントとなっている。「デイトナ500」に関してはこちらも昨年ガイドが現地で観戦しているので、そのレポート記事(「デイトナ500で感じたアメリカンレースの偉大さ」)をご覧頂きたい。一方で、「インディ500」がシリーズの1戦に組み込まれている「インディカーシリーズ」は90年代前半までは高い人気を誇るシリーズだったが、90年代半ばのシリーズ分裂などで人気が下降し、現在は「NASCAR」に国民的レースのお株を奪われ、観客動員もかなり苦戦している。
しかし、不思議なことに、シリーズ戦の途中の1戦として開催される「インディ500」だけはアメリカ国民の関心が非常に高く、リーマンショック以降は観客動員が減っているとはいえ、いまだに30万人以上の観客を動員するメガイベントの地位をキープしている。
ガソリンアレーというインディアナポリスモータースピードウェイの名所をくぐるインディカーのマシン
シリーズとしての人気が低下している中で、「インディ500」が注目されるのはなぜなのだろうか? 現地に出向いたことでガイドはその理由をいくつか目の当たりにすることができた。ここにモータースポーツが100年続いた歴史と伝統、それによって生まれた文化を感じることができる。
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