夜の静寂に優しい光、湯西川温泉かまくら祭り
今回の行き先は【栃木】
夜の静寂に優しい光、湯西川温泉かまくら祭り
雪を活用した冬のお祭りは、雪国を中心に各地で行われますが、今回は、栃木県の湯西川温泉で行われるかまくら祭りをご紹介します。
山深く、平家の落人伝説も残る歴史ある温泉地、湯西川温泉で行われるかまくら祭りは、小さなミニかまくら一つひとつに明かりを点した幻想的な夜景が楽しめるお祭りです。
訪れた人たちを出迎えてくれる個性的な雪だるまたちにも注目ですよ。
平家の落人伝説が残る湯西川温泉
湯西川温泉(Yahoo! 地図情報)は、栃木県の北部、日光市にあります。日光市といっても市域が広く、旧 栗山村だった湯西川温泉は、福島県会津地方との県境に近い所にあり、標高740メートル前後の山あいに20軒強の宿が点在する静かな温泉街です。この湯西川温泉は、平家の落人が発見した温泉と言い伝えられています。壇ノ浦の戦いで源氏に敗れた平家一門は、再興を願いつつ源氏の追討から逃れるために落人(おちうど)として全国各地に落ち延びました。
その中で那須と塩原の間にある鶏頂山(けいちょうざん)に逃れていた落人が源氏の追っ手に追われて湯西川にやってきたのだそうです。
端午の節句を通常より1日後でお祝いしたり、ニワトリを飼わないなど、平家の落人の暮らしに根付いた風習が湯西川には今でも残ります。
温泉街の近くにある「平家の里」では、茅葺き屋根の建物が点在する中で、平家の歴史と落人たちの当時の暮らしなどを再現展示していますし、湯西川沿いには茅葺き屋根の建物も含めた当時の面影を残す平家集落があります。
また毎年6月には「平家大祭」として平安時代の衣装を纏った人たちが温泉街を練り歩く平家絵巻行列も行われます。まさに平家ゆかりの地であることを感じられる場所ですね。
個性的な雪だるまたちがお出迎え!
湯西川温泉の温泉街は、野岩鉄道 湯西川温泉駅から続く道の周囲に広がりますが、雪が積もる時期になると、宿やお店の前に個性的な雪だるまが並び始めます。その名も「雪だるま街道」。早めに湯西川温泉に到着したら、荷物を宿に置いて近隣を歩いてみて、いろいろな雪だるまを見つけて下さい。オーソドックスなものから微笑ましいものまで、色々と揃っていますよ。
それでは、かまくら祭りに出かけましょう。忘れられない幻想的な風景に出会えますよ。次ページに続きます。