最寄り駅から住まいまで、
プラス住まいの10分圏をチェック
商店街などでは集まっている人の年代、家族構成を観察してみることも大事
下見時には駅周辺、駅から住まいの間、住まいの周辺10分圏の3エリアを意識すると、チェックに漏れが無くなります。まず、駅周辺では一般的にスーパーや商店街の位置や営業時間など、利便性が気になりますが、子育てファミリーなら子育て世帯向けの商品やサービスを提供している店舗の有無も忘れずに見てください。そうした店舗、サービスが多い街であれば、子育て世帯が多いと推察できます。また、本来、商店街は地元のコミュニケ―ションの要というべき存在。頑張っている商店街では人の目が監視カメラの役割を果たしてくれることもあるので、利便性とは別の意味で商店街の活気も見ておきたいところです。
土地勘のない街を歩く時は建物の2階以上やビルの看板なども気にしてみると良い
子どもが小中学生以上で、塾その他の事情が気になる場合も駅周辺をチェック。建物1階だけでなく、ビルの看板、2階以上を気にしてみると、どんな施設があるかが確認できます。
道路の整備状況は交通事故の防止に加え、夜道の安全にも関わってくる。安心して歩けるかどうか見ておこう
次の駅から住まいまでの間では安全性が最優先事項。ガードレール、横断歩道、信号のない、交通量の多い道は危険ですし、人通りが少なく、死角になりがちな細い道も要注意。大きな駐車場や寺社、公園など夕方以降人気が無くなるような場所がないかもチェックしておきましょう。
公園では住まいの近隣にある、乳幼児を連れて行ける公園に目が行きがちだが、長く住むつもりなら子どもが成長しても、親子で休日を過ごせるような公園の有無もチェックしておきたい
最後の我が家の周辺10分圏は乳幼児から小学生くらいまでの年代の子どもの日常生活圏。駅~住まいの間同様に安全を見るのは当然として、ご近所にどんな年代の家庭が多いのかを見ておくことも大事です。下見に訪れるのが休日であれば、公園を訪れてみるのが早道。年代、家族の雰囲気などが分かります。もし、平日しか行けないのであれば、近所の住宅の駐車場、駐輪場を見ると、家族構成、子どもの年代層が想像できます。
トイレが分かりやすい場所にあり、かつ明るく、きれいにされている公園なら安心して利用できる
公園ではトイレや掲示板も忘れずに見ておきたいポイント。トイレやゴミ箱などに家庭ごみが捨てられていたり、「◎◎しないでください」といった類の掲示がある場合には、周辺にマナーの悪い住民がいることを意味します。マンションのエントランス、エレベーター内の掲示も同様です。
子どもが生まれると行政サービスの有無、内容が気になり始めるもの。早めにチェックしておこう
街の下見で見落としがちなのは公共施設と医療機関。公共施設では保健所、公園、小中学校はもちろん、児童館や図書館、体育館など子どもと一緒に利用できる施設があると生活が豊かになります。医療機関では日常的にお世話になりそうな診療所の他、救急指定の病院があると安心。各科診療所はあっても小児科がない、少ない街もありますから、科目のチェックも大事です。
心に残る風景のある、
子どもの故郷となる場所かどうか
街の将来性という意味でも、その街らしい個性のある街のほうが選ばれていくはず
子どもの年代や住む期間などによっても異なりますが、子どもが育つ街はいずれその子の故郷となる街です。そう考えると、その街が好きになれるかどうかは大きなポイントではなかろうかと思います。自分が住んでいる場所が好きになれることは、暮らし、家族、自分自身を大切に思うことにもつながるからです。
いささか、抽象的な言い方になりますが、故郷、生まれ育った街という言葉に、甦る風景、思い出などがある、作れる街かどうか。実用オンリーではなく、そうした観点で街の風景や雰囲気などを考えてみることも、子どもの将来につながるような気がします。