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いきなり熟成レベル、納得と驚嘆の3シリーズ(2ページ目)

BMWの大黒柱となるコンパクトサルーンが6世代目に進化。ひとめで新型と分かるフロントマスクに、ブランドイメージを強く共有したリアデザインに。エンジンを直4直噴ターボにダウンサイジングした走りは“すべての項目が高いレベルでキレイな円を描く”上質なものでした。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

“美しい環をフリーハンドで描けたような”気持ちよさ

BMW3シリーズ

328iには直噴2リッター直4ツインスクロールターボを搭載。最高出力は245ps、最大トルクは350Nmを発生、0-100km/h加速は6.1秒(8AT)とされた


で、どうだったか。答は、変わった。いきなり熟成レベルで登場し、先代や先々代の3シリーズ路線の集大成というべきモデルに仕上がった。新型1シリーズとプラットフォームを共有するから、ある程度の仕上がりのよさは予想できたし、実際に試乗をはじめて最初のころは、予想通りにいいクルマ、という冷静な評価をくだしていた。要するに、1シリーズ以上には驚かなかったのだ。

ところが。試乗会最後のメニューとして用意されていたサーキット試乗プログラムで、そんな“冷静さ”はぶっ飛んでしまった。誤解のないように言っておくと、サーキット試乗とはいえ、ヘルメットを被って目を三角にし、汗びしょになりながら張り切って走るような、そんなハードな走りではなく、あくまでも公道の延長線上に、クルマのポテンシャルをぞんぶんに確かめるような走り方をしての話である。

とにかく、ドライバーの感覚に忠実というか自然な動きに終始する。すべてに余裕があり、手応えも抜群で、嫌味が雑味は皆無。一連の運転操作がなめらかに繋がり、破綻の兆候がまるでない。まるで美しい環をフリーハンドで描けたような、そんな気持ちのよさがある。ひとことでいえば、上質。飛び抜けてハンドリングがいいとか乗り心地がいいとかいうのではなく、すべての項目が高いレベルでキレイな円を描いているのだ。

ひとつだけ、最初から分かっていたことだけれども、残念な点がある。性能には全く関係がない、というか、むしろ十分なパフォーマンスを引き出しつつ効率化にも徹したことから生まれた、ほとんど唯一のマイナス点ではあるが、ガソリンエンジンの官能性はほぼほぼ失われてしまった。同じ直4直噴ターボなら、むしろ今やメルセデスの方が回して楽しい、気分がいい。エンジンのBMW、は健在なれど、エンジンフィールのBMWは過去の話になりつつある。
BMW3シリーズ

走行モードが選択できるドライビング・パフォーマンス・コントロールにはコンフォート/スポーツ/スポーツプラスに加え、低燃費走行を促すECO PROモードが備わった。また、アイドリングストップ機構やエネルギー回生システムなども採用されている


日本導入は、来春。まずは328iがやってくるはず。アクティブハイブリッド3の導入も待ち遠しいところ。直6ターボに代わる、3シリーズのフラッグシップである。そして、秋までにはツーリングボディや、他エンジンラインナップも揃ってくることだろう。2012年は3シリーズイヤーになりそうな気配である。


【関連サイト】
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