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速い、強いラテンアメリカのF1ドライバーたち(3ページ目)

F1で第2勢力ともいえるラテンアメリカ出身のドライバー達。F1の歴史を作ってきたレジェンドから最多出場回数を誇る鉄人まで、エネルギッシュにレースを戦う中南米のF1ドライバーの魅力についてご紹介。

辻野 ヒロシ

執筆者:辻野 ヒロシ

モータースポーツガイド

孤独に戦った永遠のヒーロー、セナ

ブラジルといえば、やっぱりこの人、アイルトン・セナを忘れてはいけない。フィッティパルディ、ピケに続き、ブラジル人3人目のワールドチャンピオンに輝いた「F1史上最高のドライバー」と形容される名選手だ。
セナ

ロータス時代の若きアイルトン・セナの走り 
【写真提供:LOTUS Racing】

セナもフィッティパルディやピケと同じく裕福な家庭環境の出身ではあったが、先輩2人と大きく異なるのは、内向的で「勝つこと」だけに集中し、孤独にレースを戦っていた点だろう。しかし、勝利に対する情熱は半端なものではなく、イギリスに渡り修行をするも挫折して一度帰国。しかし、その情熱を捨てられず、離婚してまで再びイギリスに戻り、F1にまで登り詰めたのである。

ドライビングに対する探究心は誰よりも強く、アクセルを小刻みにあおる「セナ足」と呼ばれた独自のドライビングスタイルを作り出し、勝利に向かって邁進した。類希なる才能は早くから開花し、F1でいきなり速さを見せるも、出る杭は打たれるかのごとく、ヨーロッパ人ドライバーや関係者との政治的な争いに巻き込まれることも多かった。そして、それを跳ね退けようとする情熱のドライビング、攻めの姿勢は多くのファンの心を捉え、当時F1ブームに沸いた日本でも多くのセナ・ファンが生まれた。
セナ

ホンダコレクションホールに展示されているアイルトン・セナが駆ったマクラーレンF1。マールボロのカラーリングでセナを連想する人も多いだろう。

エンジン、マシンの技術戦争が加熱した時代において、人間の持つ情熱的な魅力をF1に残すことで世界中にファンを拡大し、F1をオリンピック、ワールドカップと並ぶ一大スポーツイベントに押し上げた背景には、アイルトン・セナというブラジル人の力があったことを忘れてはならない。


国をあげての応援、熱狂。その情熱が彼らを強くする。

アイルトン・セナは1994年にレース中の事故で亡くなり、ファン・マニュエル・ファンジオは2005年に他界している。共にそれぞれの国で、「国葬」で天国に送られた英雄である。

こういったラテンアメリカ出身の歴代のドライバーを見ても分かる通り、ラテンアメリカ諸国の国々は自国のヒーローを「国をあげて」応援している。そこにはヨーロッパに勝ちたいという反骨精神のようなものもきっとあるだろう。多くのドライバーは裕福な環境の出身だが、環境の壁をも越えてヒーローを全盛期だけなく最後まで応援し続けるファンたちは彼らの大きな支えになっていることは間違いない。それもバリチェロやピケなど長年活躍するドライバーが多い理由のひとつだろう。
ブラジル

ブラジルGPのファンは熱狂的な応援が特徴【写真提供:PIRELLI】


近年では経済成長の見込める地域として大きな注目を集めるラテンアメリカ諸国。メキシコのセルジオ・ペレス、ベネズエラのパストール・マルドナードなど多くの自国スポンサーマネーを集めてF1に進出してきている若手も目立つようになってきた。今後はこういった国々のドライバーはチャンスがたくさんあり、また再びラテンアメリカ人F1ドライバーの全盛期が近いうちにやってくる可能性が高い。
マルドナード

ベネズエラ出身のドライバー、マルドナドの走り
【写真提供:PIRELLI】


愛されるキャラクターが多く、個性あふれるドライビングスタイルで魅了し、いつも忘れられない存在。そんなラテンアメリカのドライバーたちのエネルギッシュな活躍に大いに期待したい。
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