シンプル和食レシピ/ご飯と汁もの

和食の命、おいしいだし汁のとり方(2ページ目)

美味しいだし汁から美味しい料理が生まれるといってもいいくらい、和食にとってだし汁は重要なものです。その和食の命とも言える、だし汁のとり方について、コツやポイントをまとめてみました。

執筆者:冨田 ただすけ


家庭で簡単にできる、本格一番だし


かつおだし写真

 


和食で最も頻繁に使われるのが、かつお節と昆布のだし汁です。その中でも、一回目にとるだし汁を“一番だし”と言い、一番だしで使っただしがらを再利用してとるものを“二番だし”と呼んでいます。

しかし、二番だしが美味しくとれるのは、料理屋さんなどのように、たくさんの一番だしを贅沢にとる場合のみ。家庭で出るだしがらは、二番だしにするよりも、ふりかけや佃煮にするほうが美味しく再利用できると思います。

そこで、今回は家庭向けの“しっかり味を出し切る一番だし”のとり方をご紹介します。用意するものは、水に対して、1%の重量の昆布とかつお節。かつお節は厚削りではなく、薄削りのものを使います(1Lの水に対してなら、かつお節と昆布を10gずつ用意してください)。

一番だしのとり方

かつおだし手順1

 

1.まず昆布は30分以上水につけておきます(前日からでも、1時間前からでもよいのですが、昆布の味をスムーズに引き出すためです)。 



 
だし取り手順2

 

2.鍋を火にかけ、じっくり昆布のうま味を引き出すため、10分くらいで沸騰する火加減にします。だし汁がふつふつ沸騰しはじめたら、昆布を取り出します。
※昆布を入れたまま煮立たせると、昆布臭いだし汁になるので注意が必要です。

 
かつおだし手順3

 

3.昆布を取り出した後、一度完全に沸騰させ、火を止めてからかつお節を入れます。その後、再び弱火にかけ、かつお節のうま味を引き出すのですが、かつお節をどれだけ煮出すかでだし汁の味も変わってきます(用途によって2種類紹介します)。 

 
・お吸い物の場合 → 弱火にした後、さっとアクを取り、1~2分で4のざるごしへ
・おかずや味噌汁の場合 → 弱火にした後、5分程度じっくり煮出し、アクを取ってざるごしへ
※お吸い物はかつお節の雑味を出さない方法がよく、おかずや味噌汁にはかつお節のうま味をしっかり引き出す方法が適しています。

かつおだし手順4

 

4.最後にかつお節をざるごしするのですが、お吸い物などに使うときは特に、布巾やキッチンペーパーなどを使って、細かいかつお節の粉などがだしに残らないように、ざるごしをするとよいです。

 

だし汁の保管は冷蔵または冷凍で

冷蔵庫で保管する場合は、昆布だしは3日以内に、煮干だし、一番だしは2日以内に使用します。冷凍する場合は1カ月以内に使いきるようにするとよいと思います。

だし汁は冷凍すると風味が若干弱まりますが、うまみはしっかり残り、料理には十分使うことができます。料理の度にだし汁をとることが難しい方は、まとめてとって、ご家庭で使いやすい分量に小分けし冷凍保存しておくと、時間のないときにも重宝しますので、ぜひお試しください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※衛生面および保存状態に起因して食中毒や体調不良を引き起こす場合があります。必ず清潔な状態で、正しい方法で行い、なるべく早めにお召し上がりください。また、持ち運びの際は保存方法に注意してください。

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