食と健康/健康的な体型づくりと食生活

カロリーさえ低ければいいの?

今年はダイエットに役立つ社員食堂の低カロリーレシピ本を初め、低カロリーなお惣菜やビュッフェなども多く登場しました。確かに低カロリーも大切ですが、でもそれだけでよいのでしょうか。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド

大人気の低カロリーレシピ本

今年健康食やダイエット食で話題になったものと言えば「タニタの社員食堂」を初めとするレシピ本ではないでしょうか。他にも様々な有名企業の社員食堂や女子栄養大学のカフェテリアのレシピ本など、書店のメインの棚にところせましと並べられています。

デパ地下では低カロリー商品のお惣菜やお弁当を販売する店舗が、そしてビジネス街では低カロリーをコンセプトにするブッフェが賑わっているのも目にします。

日本人の特に30~50歳代の男性は肥満が増え、また糖尿病や高血圧などの生活習慣病等患者が、その予備軍も含めて増えているため、低カロリーな料理を手軽に食べられる機会が増えることはよいことだと言えます。

戦後よりエネルギー摂取量は少ない現代!

とはいえ情報や商品を得る私たちが、一面だけを見て「カロリーさえ低ければよい」と安易に受け止めてしまことがないようにしたいものです。1品で「100kcal」とか、定食で「500kcal」と謳っていると、確かに魅力的です。

でも低カロリーだからと安心して、食べ過ぎたり、デザートばかり食べるような偏った食べ方をしていれば、やはりよいことではありません。

どうして私が「カロリーさえ低ければいいの?」と思ったかと言いますと、日本人の食は豊かで、また肥満が増えているとは言いますが、実は第二次大戦後の食料が不足している時期よりも、現代人の摂取エネルギーは少ないのです。(表参照)
摂取エネルギー,年次推移


 


摂取カロリーは、減っているのに肥満が増えるのはなぜ?

1950年から2008年の推移を見ますと、炭水化物の摂取量、つまりごはんなどを食べる量は大幅に減っていますし、逆に脂肪の摂取量は増えています。日本だけでなく経済的に豊かになるにつれ、欧米型の食生活になると言われ、それが肥満の原因の一つと考えられています。

さらに昔と比べて便利な生活になり労働や家事の運動量も減っていますし、近年は夜型の生活をすることが肥満になりやすいということも分かってきています。

このように、単純にカロリーさえ数字合わせすればよいものではなく、食べ方のバランスや、また運動や生活リズムを整えることもたいへん重要なことだということも知っていただければと思います。

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