新宿、渋谷へ10分以内、
どこに行くにも便利な足回り
乗換え利用者が多く、通勤時にはホーム上は混雑する。井の頭線ホームには花屋さんやパン屋さんなども
新宿から都下へ向かう京王線、渋谷と吉祥寺をつなぐ京王井の頭線が交差するのが明大前(世田谷区)。都心の2大ターミナルはもちろん、下北沢、吉祥寺といった人気の街にも10分ほどと近く、どこに行くにも便利な街です。
2011年に創立130周年を迎えた明治大学。週末も各種資格の試験会場となることが多いため、キャンパスに向かう人が多い
この駅を学生街たらしめているのは、もちろん、駅の北側、京王線と並行する甲州街道駅沿いに広がる明治大学の和泉校舎。1934年に(大正9年)に予科校舎として開設され、以来、街は大学とともに発展してきました。明治大学以外にも周辺には専門学校、複数の私立高校などがあり、街行く人の年代が若いのがこの街の特徴です。
駅周辺には手頃な価格の飲食店、
全国初の民間交番も
右側が駅、正面に輝いてみえるのが駅ビルフレンテ明大前。左側が拡幅された道路
では、実際のどんな街かを京王線の北側、明大のある側から見て行きましょう。駅を降りてまず気が付くのは、2線が交差する、近くに幹線道路の走る街にも関わらず、駅前が非常にコンパクトであること。そもそも、駅前にはロータリーがなく、2007年(平成19年)の駅ビル建設以降、駅前への道路の拡幅が行われ、緊急用、営業用の駐車スペースはあるものの、車での東西南北の移動は道を知らないとけっこう面倒。タクシーを利用する際には甲州街道に出る必要もあります。
駅前に立つ民間交番、ピースメーカー。警視総監賞も授与されている
もうひとつ、駅前で目に付くのは京王線沿いの建つ、小さな交番。これは2001年(平成13年)に誕生した全国初の民間交番で、商店街を中心に地元の人たちが治安維持のために作ったもの。子どもたちの登下校時のパトロールに始まり、現在では街の案内、情報発信なども行われています。地元を大事に思う人たちが集まっている街というわけです。
細い道に小規模な店が並ぶ。左側がすずらん通り。不動産会社が多い
学生街らしい、猥雑な賑やかさが凝縮されているのが明治大学と駅の間に広がる商店街。特に京王井の頭線の東側の明大前すずらん通り周辺には飲食店、スーパー、リサイクルショップ、ドラッグストアなどが集まり、賑やか。不動産会社も多く集まっています。学生街らしく、安い定食屋さんやボリュームのある丼、ラーメンなどが売りの店も目立ちます。
右側がキッド・アイラック・ホール。駅から甲州街道に向かう途中にあり、周辺には比較的新しめのマンションなども
地味な外観ながら、明大前と聞いて思い出す人も多いのが、著作家、美術評論家として知られる窪島誠一郎さんが1964年(昭和39年)に設立したキッド・アイラック・ホール。演劇、舞踏、朗読会、落語など様々な催しに利用されているホールの他に、ギャラリー、ブックカフェもあり、シックな雰囲気のある場所です。
明大裏手には神田川、
複数駅利用可の住宅街
甲州街道と反対側、明治大学のグラウンド周辺。低層の建物が中心。新しい一戸建てなども多かった
ただし、その賑わいは甲州街道まで。通りを渡り、明治大学のある杉並区に入ると、店舗、飲食店は大学近く、通り沿いに何軒かあるだけで、一気に静かな街並みに。大学の敷地が広大で、かつ大学西側には築地本願寺和田堀廟所その他寺院が並んでいるため、駅の賑わいがそこまでで分断されているのです。
神田川沿いには遊歩道があり、走る人にとっては気持ち良さそうな空間。桜の名所となっている場所もある
実際に行ってみると、神田川が流れ、一戸建てなどが多い住宅街。明大前駅からは10分以上かかりますが、井の頭線の隣駅永福町、京王線の隣駅下高井戸のいずれにも同様に10分前後。学生、単身者で駅からは多少遠くても、静かで安い部屋を探したい人、あるいは一戸建て購入希望者なら、このエリアはお勧めかもしれません。駅周辺と違い、日当たりの良さそうな住宅も多そうです。
京王線南側はコンパクトな商業エリアに
古い建物も多い住宅街
京王線南側の商店街。学生街らしく、ラーメン屋さんが目につく
明治大学の反対側、京王線の南側は線路沿いには飲食店などがあるものの、一歩入るとすぐに住宅街。道が細いこともあり、交通量は少なく、静か。駅周辺には銭湯、古そうなアパートなどが残る一方、一部には洋館風の住宅や広壮な敷地のお屋敷も。少し離れて私立高校、幼稚園などもあります。
●今回取り上げたエリアはこのあたり
今回取り上げた明大前とその周辺の概念図。甲州街道の上を首都高速4号線が走っており、明大前駅近くに永福出入り口がある(概念図のため、位置、距離、方位その他は正確ではありません)
続いて、京王線
明大前駅の住宅事情を見ていきましょう。