東京モーターショーで「週末は近くに寄るまで30分!」という動物園のパンダのような人気ぶりだった「トヨタ86」に試乗してみた。トヨタ86とは、果たしてどんなクルマなのか?
トヨタが来春発売する新型スポーツカー「86(ハチロク)」。モーターショーでは、市販モデルとほぼ同じ車を公開された

来春発売予定のトヨタの新型スポーツカー「86(ハチロク)」。モーターショーでは、市販モデルとほぼ同じ車が公開された



後輪駆動車が失敗に終わるワケ

まず最初に断っておく。今までこの手の後輪駆動車は、出てくる度に失望の連続。どれも期待値に届いていなかったからだ。

一番の原因が「サーキットで速いクルマ」を目指したからだと思う。サーキットを速く走らせようとすると、コーナリング限界をギリギリまで追求し、エンジンは常用回転域より高回転型とし最大出力を求める。結果、サーキットを走れば速いのだけれど、一般道で楽しめないクルマになってしまう。

もう少し具体的に説明したい。コーナリングの限界速度を追求すると、当然ながら滑り出しのタイミングは高い速度域になる。しかも限界を越えて滑り始めると、全ての状況が一変してしまう。アライメント変わるし、タイヤの接地面形状も変化。横方向の限界は100%から90%程度まで落ちる。

つまり速度が90%になるまでグリップは回復しない。かくして滑った途端「もの凄く気むずかしいクルマ」になるワケ。しかし86は絶対的な性能を追求せず。その代わり、滑り出しを90%にし、滑り始めても90%の性能を引き出せるようした。したがって滑り始めても自由にコントロール可能。

エンジンも同じ。高回転型のエンジンをイメージして欲しい。滑ったらアクセル戻す。その時点でパワーのある回転域から落ちてしまうのだった。また、高回転域でパワースライドさせたら、それ以上の回転数で滑らせ続けることも不可能。アクセルを使って後輪の流れをコントロールすることなどできない。
86は富士重工業と共同開発された

富士重工業と共同開発された86は、新開発の水平対向エンジンを搭載している