草履の選び方
草履の選び方は着物選びと似ている?
草履もその素材やかかとの高さで雰囲気やある程度の「格」が決められます。着物ほどのはっきりしたものではありませんが、例えば金銀の入ったものや佐賀錦という織物でできたものは、格が高くイメージも豪華なため、礼装着や略礼装着に合わせ、爬虫類やビーズのものは外出着や普段着に合わせるとされています。
草履のかかとの高さと裾の長さの関係
かかとの高さという観点からいうと一般的にかかとの高い草履の方が格が高く、同じく格の高い着物には比較的かかとの高い草履を合わせます。これはどうしてかというと、そのもののフォーマル度はもとより、格の高い着物例えば留袖や訪問着などの場合には裾を長めに決めるため、あまり低い草履を合わせると、裾が地面にすれてしまうためです。逆に、紬などの場合は普段着という格として考えた場合、裾を短めにして着ることが多く、この場合にあまりかかとの高い草履を選ぶと、草履だけが浮いて見えてバランスが悪くなります。つまり、草履のかかとの高さと着物の格というのは、このように密接な関係があるわけです。ですから、草履を選ぶ時には、着物の格、草履の格、草履のかかとの高さのバランスを考えて選ぶことが大切です。
草履の粋な履き方とは
また、草履は履き方によって「粋」を表現するのにもってこいの小物です。というのも、履物というのは、歩き方に直結しているものなので、どんなものを選ぶかによって立ち振る舞いやそれそのもので「雰囲気」を作るということができてしまう、現れてしまうということがあるからです。それでは「粋」に見える履き方というのはどんなものなのでしょうか。よく言われるのは足の指先の奥の方まで入れてしまうのではなく、指先にちょっとひっかけて履く、つまり「履く」というより「つっかける」という感覚です。これは男性も女性も同じですが、そうすることによってシナを作り歩き方に色気が出るわけです。実際にはとても慣れが必要なのですが、こだわる人は例えば鼻緒の位置を付け変える、サイズをワンサイズ小さめなものを選ぶなどして普通に履いて粋に見えるように草履自体を調整してしまう人もいます。
ただし、これも時と場合によりけりで、留袖や振り袖など格の高い装いの場合には避けた方がよく、あくまでも装いの格に立ち振る舞いを合わせるのが基本です。
いかがでしたでしょうか。どう選ぶかによって着物姿に差が出るバッグと草履。両者とも選び方の基本さえしっかりと押さえておけば、広い範囲から選ぶことも可能です。もっと自由な感覚で選んでみると、あなたの着物姿がさらにときめくかも知れません。