現物があるからと言って、金投資にリスクがないわけではない
金価格の上昇で金への投資に興味を持つ人が増えています。株式投資等と異なって金投資では、金という現物が存在します。現物のある金は紙屑になることはありませんから、株式投資等に比べて安心感を感じる人も多いことでしょう。しかし、現物があるからと言って、金投資にリスクがまったくないわけではありません。投資を始めるなら、どのようなリスクが考えられるのかをあらかじめ把握しておくことが大切です。
金投資で考えられる主なリスクとしては、次の4つが考えられます。順番に見ていきましょう。
- 金価格の変動リスク
- 為替変動リスク
- 金利上昇リスク
- 盗難リスク
金投資のリスク1:金価格の変動
金の価格は、日々変動しています。金価格がどのくらいまで値上がりするのかは誰にもわかりません。今後更に価格が上昇するのであれば、いつ買っても儲かる確率が高いでしよう。購入したタイミング次第では、損失を被る恐れがあります。金という現物があるから損をしないと思い込むことは危険です。価格がどのように変動しているのかを日々注目して、購入時期を考えることが大切です。
金投資のリスク2:為替の変動
金の国際価格は、ドル建てで表示されています。そのため、金の国内価格は、その時のドル円相場で円に換算したものとなります。(参考)金の取引単位 国際価格トロイオンス・国内価格グラム
そして金の国内価格は常に為替相場の影響を受けて変動しています。
金の国内価格は、ドル円相場がドル高に動けば値上がりしますが、ドル円相場が円高に動けば値下がりすることになります。つまり、金の国内価格は、金価格の変動に加え、為替相場の影響も受けて変動します。金価格に加えて、為替相場の動向にも注意しましょう。
(参考)何の影響を受ける? 金価格の決まり方
金投資のリスク3:金利の上昇
銀行預金等と異なり、金には金利がつきません。現在のように低金利の時には、金利が受け取れないことはあまり気になりません。しかし、金利が上昇して高金利になった場合には、金利を受け取れる商品の方が魅力的になりますので、その点はリスクと考えられるでしょう。一方、物価が上昇した場合には、通貨の価値が下がりますので、金等の物が買われる傾向にはあります。
金投資のリスク4:盗難
金(延べ棒)を購入するとなると、少量を購入すると手数料がかさみますので、ある程度まとまった量の購入を検討する人が多いかもしれません。しかし、金を自宅で保管するとると盗難に備えておかなければなりません。多少費用が発生しても、安全な保管方法を検討しておいた方が良いでしょう。金という現物があるので、金投資に安心感を感じる人も多いかもしれません。しかし、これらのリスクが常に存在していますので、購入タイミングや保管方法に加え、経済動向等についても普段から検討しておくことをお勧めします。
【関連記事】
・純金積立、金地金…金投資の種類と選び方
・百貨店、銀行…身近にある金の購入場所
・持っている金を売却したい!どう売却する?
・純金積立や金地金、ETFなど、金投資の手数料を比較