緑の多い住宅街は
意外に坂も多い土地柄
敷地間がゆったり取られた住宅地内。通行する車も少なく、静かだ
駅の西側はロータリーを挟んで、線路とロータリー沿い以外はすべてが住宅街。放射線状、同心円上に道路が延びています。分譲当時の区画は100坪(330平米)~500坪(1650平米)だそうで、当時としてはずば抜けて広いわけではなかったのだとか。現在の建売一戸建ての多くが、広くても土地面積50坪(165平米)、都心部では100平米を切る土地があることを思うと、時代の変化を感じます。
植栽の手入れをする職人さんの姿を多く見かけた。写真は玉川田園調布2丁目あたり
住宅地内でもっとも感じるのは緑の多さ。街作りの当初から塀ではなく、生垣を作り、外から庭を見えるようにするという協定があったとのことで、現在もよく手入れされた生垣のあるお宅が多いのです。これまで歩いてきた街の中で、もっとも植木職人さんに遭う確率の高い街と言ってもいいでしょう。
住宅街から多摩川に向かっては急坂も多い。川の向こうに見えているのは武蔵小杉周辺
ところで、駅周辺だけを見ていると、平坦な土地という印象があり、実際に駅から数分はそうなのですが、その先は非常に高低のある土地が続きます。特に多摩川方向に向かうと、急な下り坂、上り坂があり、上りきると眼下に多摩川が広がるというダイナミックな風景も。それが顕著に分かるのが宝来公園から多摩川台公園。多摩川沿いには河岸段丘があり、駅近くには台地がある起伏に富んだ地形なのです。
新旧の店舗が並ぶ商店街、
通りから一歩入ると住宅街に
商店街から駅方向を見たところ。道も細く、大型店はない
続いては駅の東側。こちらは線路沿い、駅から六間道路(環状八号線に並行、駅と中原街道を結ぶ)沿いに商店街が伸びています。歩いてみると、佃煮屋さんや呉服屋さん、和菓子屋さんなど古くからありそうな店舗としゃれたレストランなどが混在、長く続いています。ただ、駅前以外は繁華とは言い難いのは率直なところ。生鮮食料品店なども多くはありません。
環状八号線沿いのスーパー。この日は秋田の物産店が出展していた
ちなみにスーパーは駅上の建物内に1軒、少し離れた環状八号線沿いに1軒あり、両店とも品揃え、駐車場ともに充実はしています。たいていの駅前にあるパチンコ屋さんはもちろんなく、ファーストフード店は駅東西に1軒ずつ。数が少ないためか、行列ができている様子を見ました。それ以外でこの街で目についたのは幼児教育の塾などの看板。しゃれた器屋さんが多かったのも印象的でした。
駅から中原街道に向かうバス通り。古いマンション、小さな一戸建てなど、通り沿いは庶民的
西側とは違い、商店街のある通り沿いには古そうなマンションが何棟か。ごく普通の、住宅地の中にある商店街です。が、通りから一歩奥へ入り、緩やかな坂を上ると、こちらもやはり一戸建てが中心の住宅街。西側ほど区画が広いエリアは少ないようですが、それでも落ち着いた雰囲気の静かな場所です。
●田園調布駅周辺の様子を地図で見ると……
田園調布駅周辺。田園都市会社が開発したエリアは駅西側を中心に大田区、世田谷区にまたがる高台。住宅街、商店街と書いたのは分かりやすくするためで、商店街エリアに住宅がないという意味ではない。主要な周辺幹線道路などを書き込んである。使用した地図情報などについては本文最後にまとめてご紹介
最後に東急東横線
田園調布の住宅事情を見て行きましょう。