首都圏の家賃は西高東低、
西より東を探せ
中央線沿線は古い学生向きのアパートも多く残ってはいるものの、相場としてはやはり高め
同じ広さの部屋で比べた場合、家賃を左右する最大の要因は立地です。そこで覚えておきたいのは、首都圏の家賃の大原則である西高東低。山手線の西側が高く、東側が安いのです。といっても、東と西で方位通りにきっちり高低があるわけではなく、山手線の西側にある新宿、渋谷、恵比寿、目黒あたりが山となっており、それ以外の駅がそれよりも安いという状況になっています。ですから、できるだけ手頃に探したいと考えた場合で、首都圏のどこでも良いというのであれば、山手線の北から東側にかけてを探したほうが見つけやすくなります。ちなみに山手線内であれば、中央線より北側は比較的安めです。中でも手頃さでは豊島区がお勧めです。
同じターミナルなら
古から開発された便利な路線ほど高い
地元の会社も含め、不動産会社が多い街は歴史が古く、人気も高い場所といえる
立地では、もうひとつ、利便性がキーワードになります。家賃は便利な場所ほど高いのです。この場合に「便利な」には都心に近い、乗換え無しで行けるなどといった足回りの利便性と、スーパーや商店街、飲食店などが多くて生活の利便性が高いという、大きく2つの意味がありますが、実際の街を見てみるとほぼ同義。それは都心から近いほうが早くから開発され、早くから開発された街ほど商業施設が発達しているからです。
西武新宿線では新宿の手前、高田馬場で東京メトロ東西線に乗り換える人も多い
実際、新宿をターミナルとする沿線では最も早く開発された中央線沿線の家賃が高く、新宿駅からちょっと離れた西武新宿駅を利用する西武新宿線が手頃。駅前の賑わいにかなり差があるのと同様、家賃にも差が出ます。たとえば、中央線の都内各駅のワンルームマンションの相場は7万円前後ですが、西武新宿線では6万円前後。不便な分、安くなるわけです。
ただし、古い沿線ほど古い物件がある可能性は高くなります。建物の築年数が古くなると、家賃は下がる傾向にあり、築20年、30年ともなると、場所、建物の種類、広さにもよりますが、新築に比べ1~2割以上、下がることも。これについては、古い物件のありそうな街の探し方で後述します。
同じ路線内なら都心から遠い駅、
急行停車駅より各停駅が安い
現在では大半の私鉄と地下鉄が相互乗り入れをしており、都心直通の路線が増えている
一般に足回りの利便性は都心からの距離で測られます。そのため、同じ路線内なら都心近くが高く、遠くなるにつれて安くなるのが基本です。複数路線が使える駅も便利で、高くなります。加えて、もうひとつ、都心に近くても各駅しか止まらない駅のほうが安く、それより遠い、でも急行停車駅が高くなる現象もあります。電車を待つ時間が長くなり、駅前の利便性が落ちる分、都心から近くても安くなることがあるのです。
ちなみに私が住んでいる東急東横線祐天寺駅は急行停車中目黒駅、学芸大学駅に挟まれた各駅停車のみが停まる駅。そのため、1本乗り損ねると10分待つ時間帯もありますが、その分、間取りによっては一駅先の学芸大学駅よりも安く借りることができます。
複数路線が利用でき、かつ始発電車もある赤羽駅。駅前の商業施設も充実しており、その割には家賃はやや安め
また、これとは逆に、始発駅は、座って通勤できるという理由から家賃が高くなることがあります。首都圏のいくつかの路線では、そもそもの始発駅以外に始発が出ている駅があり、そうした駅なら都心に近くでも座って通勤できるのです。家賃は高くても
ラクして通勤したいという人はそうした駅を狙う手があります。
続いては
家賃の安い物件のある街を地図、見た目で探します。