11月19日に、私は旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)の「住宅総合技術研究所」(静岡県富士市)に行ってきました。実はこの日、周辺各地のほか、東京や名古屋から「バス見学会」が行われ大勢の来場者が訪れていました。研究所ではこのような見学会が時々行われるのです。
旭化成ホームズが最新鋭研究所を公開!
この研究所はハウスメーカーの中でも最新のもの(2007年開設)。施設内には研究棟のほかに、試行棟と呼ばれる建物(住宅)が数多く建てられていました。今回はこのうち、同社が今年発売した「そらのま+(プラス)」と「天空こども城」という商品のモデル棟を見学するのが目的でした。
ハウスメーカーが研究所に試行棟を建設するのは新たな技術や素材、あるいはプラン提案が実際の建物でどのような効果をあげるのかを見極めるためです。机上のシミュレーションではわからないことがあるからです。
自動車の世界では実際に新商品の車についてはサーキットなどで試乗走行を繰り返しますが、住宅の世界でも同様のことが行われていると考えていただければよいでしょう。その中で問題点が洗い出され、商品化するまでにブラッシュアップが行われるのです。
一般的に、工務店やビルダークラスでは、このような検証を行うケースはごく少ないようです。まず「新商品」というものがありませんし、やるとしてもモデルハウスを建てた時や、お客さんの住宅を建てた際に新技術・素材の効果を見極めるという感じです。
ここにハウスメーカーの住宅づくりの特徴が見られるというわけですが、研究所で試行棟まで建てて検証するというのは、それなりにコストがかかるもの。ハウスメーカーでの住まいづくりがある一定の価格がかかってしまうのにはこうした背景もあります。
ハードだけではなくソフトの研究も
大和ハウス工業の総合技術研究所に設置されている展示施設内には、同社の創 業商品「パイプハウス」などが展示され、日本の住宅の歴史を理解する上でも 貴重な内容が充実している
さて、研究所で検証するのは技術や素材などハードだけではありません。住まい方、いわゆるソフト分野も見逃せません。近年は二世帯居住や共働き、子育て、ペット共生など様々なテーマがありますが、そんな分野でも研究所の人たちが日夜研究しています。
積水ハウスは京都府木津川市に「総合住宅研究所」を有しています。ここは住宅業界の老舗の研究所で、旭化成ホームズと同様に様々な研究が行われていますが、隣接する敷地に「納得工房」という施設があるのが特徴です。
ここはハード系はもちろん、暮らし方などソフト系の研究要素の展示も充実した展示施設です。私も何度も訪問しましたがその規模は丸1日かけても見学しきれないほど。こちらの施設は公開(予約制)されていますから、積水ハウスのことはもちろん、住まいづくり全般について詳しく知りたいという方にはお勧めです。
このほか常時公開されている施設を持つハウスメーカーでは、大和ハウス工業の「総合技術研究所」(奈良市)もあります。こちらは研究施設としての特徴のほかに、大和ハウスの歴史、さらには住宅そのものやプレハブ住宅の歴史なども学べる貴重な内容となっていますす。
これらのほかにも、工場の施設などで研究開発を行っているハウスメーカーもありますから、是非活用して住まいづくりのエッセンスを感じてください。
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