住みたい街 関西/住みたい街の見つけ方[関西]

住み心地と価格に関係はあるか?~相関関係を探る!(3ページ目)

住み心地のよい街に住みたい、でも住宅にかける費用は安いにこした事は無い。では、はたして住み心地がよく「不動産の安い街」はあるのか?「スーモマガジン」で過去に掲載されていた特集から、北摂や阪神間を中心に、行政区ごとの価格や住み心地の関係を見てみました。

田中 和彦

執筆者:田中 和彦

住みやすい街選び(関西)ガイド

下の図は大阪/神戸/京都の各区のうち、2010年8月から2011年7月に分譲実績のあった区の平均価格と平均広さのグラフです。
三市の比較

      大阪/京都/神戸、各区の比較
(クリックで大きくなります)

黒のマークが大阪市内の区、赤が神戸、青が京都になります。各市ごとに大きな特徴は見えませんが、補助線を入れると少し面白い傾向がみてとれます。2本の点線はそれぞれ1平方メートルあたりの単価が45万円(左側)と60万円(右側)の線です。

下町エリアは商品構成が酷似

まずは単価45万円のライン。このラインの左側、すなわち単価45万円を切ったところにプロットが密集しているところがあります。京都市の伏見区、南区、右京区。大阪市の此花区、鶴見区、東淀川区、住吉区等々。平均単価45万円以下、平均広さ75平方メートル周辺という一定のレンジに複数の行政区が入っています。

京都と大阪、行政区は違うのですが、いずれも旧市街地で下町イメージの色濃いエリアです。場所が変われど似ている街にある商品が、似通っているのはなかなか興味深い結果です。また、神戸市内の区が含まれていないのも面白いところです。

都心立地は単価60万円ライン

次は単価60万円のライン。こちらはほぼオンライン上に複数の区があります。平均価格の低い方から順に、大阪市中央区、大阪市北区、神戸市中央区、大阪市阿倍野区、京都市左京区、京都市中京区、大阪市福島区。オンラインではありませんが京都市下京区、大阪市西区、大阪市天王寺区もほぼ近い傾向です。

以上の区に共通な特徴は「生活利便性の高い都心立地」というところ(京都市左京区だけちょっと違うかな?)。「旧市街地で下町イメージ」な区の商品構成が類似していたのに対し、「生活利便性の高い都心立地」は単価がほぼ同じで平均広さにかなり差があるのが特徴です。

平均広さの差は、大阪市福島区の75平方メートル強から京都市下京区の40平方メートル強迄およそ2倍。平均広さが広い区ほど「ファミリーで住むイメージ」が高いエリアであるよう見えます。このあたりは街選びの指標にもなりそうです。

それでは最後のページでは、平均単価と住み心地との関係をみてまいります。
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