ケガがきっかけで「無関心」が「関心」に
今回の相談者は、ダイレクト型から代理店型に切り替えた事例です。特段事故もなく自動車保険はじめ、どの保険についても特に不満はありませんでした。しかし、あるケガがきっかけで危機感を覚えて保険を見直すことに。■相談事例調査
調査会社:エフピーリサーチアンドコンテンツ株式会社
調査対象:自動車保険の相談を受けているFP
調査年月:2011年11月
■相談者属性
記名被保険者年齢:65歳(本人+子供夫婦+孫2人)
性別:女性
職業:無職
車種・車名:自家用軽四乗用・ワゴンR
使用用途:日常生活・レジャー
使用地域:埼玉
免許の色:ゴールド
年間走行距離:5,000km未満
■見直し前・見直し後の契約内容
<見直し前>
対人賠償:無制限
対物賠償:無制限
人身傷害:5,000万円
搭乗者傷害:なし
車両保険:なし
限定条件:家族限定
年齢条件:35歳以上
その他オプション:なし
■見直し後(更新後)契約内容
搭乗者傷害:100万円(家族傷害特約付き)
年齢条件:30歳以上
その他オプション:弁護士費用特約、個人賠償責任保険特約
自宅でのケガがきっかけで自動車保険を見直し
自動車保険は1年に一回、更新時に見直ししてみよう
相談者は自動車保険と医療保険、終身保険、火災保険と地震保険に加入しています。特に心配だったのは、時々依頼を受ける託児業務のこと。ケガをすると全く仕事ができなくなり、収入が減ってしまいます。また、本人だけではなく同居の子供夫婦や2人の孫の補償も準備してあげたいというお考えでした。お孫さんが自転車に乗るようになって、誰かにケガをさせはしないかという心配もあったようです。
相談者のように、何かのきっかけがない限り自分から保険の見直しを考えることは少ないでしょう。自動車保険は生命保険など他の保険とは違い、1年で更新するのがほとんど。見直しの機会はあるものの、事故でも経験しない限り見直しの意識が高まることはありません。特にダイレクト型の自動車保険では代理店型のように担当者に積極的に見直しをすすめられることがないので、自分で動かない限り補償内容がずっとそのままという人も少なくありません。
代理店型もダイレクト型も通常1年に1回は見直しのチャンスが訪れるのですから、毎年の年中行事として積極的に自分の自動車保険に磨きをかけてみましょう。
コストアップでも合理的かどうかが大切
自動車保険は安いだけがメリットではない。合理的な保険料は自分に必要な補償から考えることが大切
また、それ以外の特約も事故を想定して必要かどうかを検討していただきました。結果的には現在加入のダイレクト型の自動車保険よりもコストアップになりましたが、必要な補償を別の保険で準備するよりは合理的であったため、満足していただけたようです。
保険料はどうしても「節約するもの」というイメージが浸透してしまっているようです。特にネットの世界は比較の世界と呼ばれるくらい、スペックや価格に関する情報が先行して「少しでも安く」がキーワードになっています。
確かに安いに越したことはありませんが、必要な補償が備わっていなければ本末転倒。どんな買い物でも必要なものにお金をかけるのは同じはずです。自分の預貯金や普段の生活リスクを考え、必要な補償を十分に吟味したうえでいかに効率よく補償を準備するかというスタンスが上手な保険の見直しにつながります。
合理性やコストパフォーマンスは、あくまで自分に必要な補償を見極めることが前提で成り立つものであることを覚えておきましょう。「自分に必要な補償ってどうやって考えるの?」という人は身近な代理店やFPに相談したり、ダイレクト型の保険であれば電話で相談したりすることが可能です。一般的な情報はどうしても自分に当てはめて考えるのが難しいものです。躊躇せずにプロに相談するのが最も効果的で時間の節約にもなるでしょう。
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