「国民年金基金」という制度
自分で年金の2階部分を準備
国民年金基金の加入は、以下のような年金給付の型を「口数」で選択して組み合わせ、自分で将来の年金額を決めることができます。
【1口目】
(「1口目」「2口目以降」とも図は国民年金基金ホームページより)
また、国民年金基金の年金給付は確定給付型で、公的年金のように物価や賃金の変動による調整もないので、将来の年金額は加入時に決められた金額が支給されることになります。
国民年金基金の年金給付の型と口数を選択する
国民年金基金に加入し、年金給付の型と口数を選択する場合、以下の点にも留意する必要があります。■1.掛金の上限は1ヵ月68,000円まで
掛金の上限は原則1ヵ月で68,000円です。ただし、個人型の確定拠出年金に加入している場合は、確定拠出年金の掛金と合算して1ヵ月68,000円までとなります。
■2.終身年金の支給額が確定年金の支給額を上回ること
年金給付の型を組み合わせる場合、終身年金であるA・B型の年金支給額の合計が、確定年金であるI~V型の年金支給額を上回る組み合わせとなるとようにしなければなりません(「確定年金」についての解説は、国民年金基金のホームページをご覧ください)。
■3.掛金の変更はできるが、制約あり
加入後、掛金を口数単位で増額したり減額したりすることができますが、増口は1年度内に1回のみとなります。また、1口目を減額して掛金を0にすることはできません。
国民年金基金に加入する場合、地域型に加入したいときは住んでいる都道府県の国民年金基金、職能型に加入したいときは各職能型基金に申し出て手続きをします。それぞれの基金の連絡先は国民年金基金のホームページで確認することができます。
国民年金基金の税制メリット
なお、国民年金基金には税制上のメリットがあります。国民年金基金の掛金は、公的年金と同様、負担した全額が社会保険料控除として所得控除を受けることができます。民間の個人年金保険の保険料は、最大で5万円(平成24年1月以降に契約した個人年金保険は最大で4万円)が所得控除の対象となるため、この点では国民年金基金のほうが高い節税効果があります。また、国民年金基金から支給される老齢給付も、公的年金と同様、公的年金等控除を差し引いた金額が雑所得として課税されます。
実際に、これらの節税効果がどの程度のものなのか、事例を使って確認してみましょう。