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秋ドラマ概況:久々の豊作 家政婦のミタ&妖怪人間ベム(2ページ目)

秋ドラマは久々の豊作!ヒットの目安の視聴率15%以上が5作品も。しかし、その中でも期待以上、期待はずれもいろいろ悲喜こもごもです。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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変えても変えなくても苦戦

それに対して、ダブル本命の『南極大陸』と『相棒』は伸び悩んでます。

『南極大陸』は、事実を元にしているはずですがウソっぽくみえます。たとえば南極への航海途中に越冬隊を置くことを決めていますが、越冬するとしないとでは持っていく荷物がかなり違うと思うんですが。原案「南極越冬隊タロジロの真実」を読んで確認したところ、南極に行ってから隊長判断で越冬するかどうかを決定する、ただし越冬しなかったから失敗と思われたくないので、そのことは事前には公表しなかったということでした。それならわかります。
このウソっぽさは木村拓哉はいつものキムタクで、ヒーローでなくてはいけないという制約からくるんでしょう。初回で宗谷の改修工事のピンチに職人が集まるシーンは『華麗なる一族』で見たことがあるし、船に希望を託すというのは『宇宙戦艦ヤマト』、とこれまでのヒット作を引きずっており、変わることができていません。

対して『相棒』は変えています、というかレギュラーを削減しています。劇場版2での小野田官房長(岸部一徳)の退場に続いて、宮部たまき(益戸育江)が「お遍路にいく」といって花の里が閉店。これでレギュラーは警視庁の人だけになりました。
しかしそれと伸び悩みはたぶん関係ない、原因は最初は犯罪について警察、検察、司法や社会の責任を問う重いエピソードが続いたことでしょう。ゲストも渡哲也、三田佳子とベテラン中心で重厚な展開に。見やすい軽いエピソードが望まれているんでしょう。

軽いのはもう一つのヒット『謎解きはディナーのあとで』。こちらはミステリーとしては実に内容が軽くて、そこがうけています。しっかりしたものを見たい人には不向きですが。
2時間ドラマをはじめとしてドラマの犯人当ては俳優をみればだいたいわかりますが、このドラマ、それが通用しないところが画期的です。初回などは犯人が登場するのは「あなたが犯人だ」といわれるところが初めてなのですから。

ダークホース

予想外におもしろいのは『DOCTORS 最強の名医』。患者のために病院を変えようとするのは定番展開なのですが、そのための手段は選ばないというところが新しい。いつも笑っているけど裏では策略をめぐらす人を喰った主人公に沢村一樹がよくあっていてオススメです。

あと、近年低迷していた月9枠ですが『私が恋愛できない理由』は女性から「あるある」と共感され盛り返しています。ただドラマとしては三人の関係と恋愛の関連が弱いのが弱点なのか伸び切れていません。恋愛ドラマ冬の時代に共感されるのは夢のような恋ではなく、恋人がいないということだというのは新たな発見でした。

他にもいろいろ

最初に書いたように今回はそれ以外のドラマもそれぞれに楽しめます。このグラフにでてこないところでも『深夜食堂2』は期待通りの味わい深さだし『俺の空 刑事編』もおバカな展開がなんともいえない、『秘密諜報員エリカ』は栗山千明のコスプレを見るだけで十分という感じです。

この豊作、それぞれに楽しんでください。
視聴率グラフ

               視聴率グラフ


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