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住友林業(2) 家族の距離感に配慮した二世帯住宅

東日本大震災以降、二世帯住宅のニーズが高まっているといわれています。それは震災という大変な出来事の中で、家族の「絆」の大切さが再認識されているからでしょう。そこで住友林業の「ikiki(イキキ)」という新商品を事例に、二世帯住宅について考えてみましょう。

田中 直輝

執筆者:田中 直輝

ハウスメーカー選びガイド

住友林業が二世帯住宅の新商品「ikiki(イキキ)」を10月14日に発売しました。この新商品は、親世帯と子世帯の関係性のあり方をどうするかなど、二世帯住宅について考えさせられる面白い提案が盛り込まれていますので、今回少し詳しくご紹介したいと思います。

大震災を契機に再認識された家族との「絆」

二世帯住宅のダイニング

昨今、二世帯住宅へのニーズが高まっている(画像はすべて住友林業提供)

東日本大震災の発生は、私たちの暮らし方に大きな影響を与えたといわれています。被災地の方々はもちろんですが、帰宅困難に見舞われた首都圏を中心とした方々も、家族とのつながり、「絆」の大切さを強く再認識する機会となったようです。

震災の影響を差し引いても、二世帯住宅のニーズは高まっています。世帯収入がなかなか伸びにくい経済状況の中、夫婦が共働きであるケースが増えていますし、そうなると子育てや家事などを親にお願いできる二世帯住宅という考え方は、昨今の居住ニーズにマッチしているといえます。

ただ一言で二世帯住宅といいますが、求められるニーズは多種多様です。親世帯と子世帯が非常に仲の良い場合もありますし、ほどほどの場合もあります。「ikiki」が特徴的なのは、「夫方両親同居」と「妻方両親同居」の二つの暮らし方から商品づくりを行っている点です。

「夫方両親同居」は建物を上下階で完全に分離する提案。普段はそれぞれの暮らしを重視した生活様式でありながら、例えば週末などは親世帯(もしくは子世帯)に集まり、程よく両世帯がコミュニケーションをとりそれぞれが暮らしを楽しむというかたちです。

微妙な家族の距離感に配慮が必要な二世帯住宅

二世帯住宅の庭

二世帯住宅は家族の距離感をどう取るかが大切

他方、「妻方両親同居」は建物を左右分離にする提案。適度に両世帯に独立性を持たせながら、それぞれが行き来できる空間(通路や共有で使用するランドリースペースなど)を設け、家事や子育てを気軽に協力しあえるようにしています。

面白いと思うのは、夫方と妻方のどちらと暮らすかによって、とるべき距離感が異なるということ。妻方なら子世帯の主婦は親世帯を何かと頼りにしやすいでしょうし、夫方だと「家族」だといっても何かと気を遣うこともあるというわけです。

二世帯住宅はこのような両世帯の微妙な関係性を考慮してプランニングしないと、建築後苦労することがありますから注意が必要になるのです。親世帯といっても元気でアクティブな人が多いですから、子育てや家事を任せっきりにはできないですよね。

それぞれがそれぞれに暮らしを楽しみながら、適度に寄り添い助け合いもできるという提案が現代の二世帯住宅に求められる要素の一つとなるのです。次のページでは、「ikiki」のテクニカルな部分も含めた特徴をご紹介します。
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