大震災を契機に再認識された家族との「絆」
昨今、二世帯住宅へのニーズが高まっている(画像はすべて住友林業提供)
震災の影響を差し引いても、二世帯住宅のニーズは高まっています。世帯収入がなかなか伸びにくい経済状況の中、夫婦が共働きであるケースが増えていますし、そうなると子育てや家事などを親にお願いできる二世帯住宅という考え方は、昨今の居住ニーズにマッチしているといえます。
ただ一言で二世帯住宅といいますが、求められるニーズは多種多様です。親世帯と子世帯が非常に仲の良い場合もありますし、ほどほどの場合もあります。「ikiki」が特徴的なのは、「夫方両親同居」と「妻方両親同居」の二つの暮らし方から商品づくりを行っている点です。
「夫方両親同居」は建物を上下階で完全に分離する提案。普段はそれぞれの暮らしを重視した生活様式でありながら、例えば週末などは親世帯(もしくは子世帯)に集まり、程よく両世帯がコミュニケーションをとりそれぞれが暮らしを楽しむというかたちです。
微妙な家族の距離感に配慮が必要な二世帯住宅
二世帯住宅は家族の距離感をどう取るかが大切
面白いと思うのは、夫方と妻方のどちらと暮らすかによって、とるべき距離感が異なるということ。妻方なら子世帯の主婦は親世帯を何かと頼りにしやすいでしょうし、夫方だと「家族」だといっても何かと気を遣うこともあるというわけです。
二世帯住宅はこのような両世帯の微妙な関係性を考慮してプランニングしないと、建築後苦労することがありますから注意が必要になるのです。親世帯といっても元気でアクティブな人が多いですから、子育てや家事を任せっきりにはできないですよね。
それぞれがそれぞれに暮らしを楽しみながら、適度に寄り添い助け合いもできるという提案が現代の二世帯住宅に求められる要素の一つとなるのです。次のページでは、「ikiki」のテクニカルな部分も含めた特徴をご紹介します。