映画「アントキノイノチ」の主人公は、遺品整理の仕事に携わる20歳前後の青年。映画に登場するクーパーズという会社も、その経営者も、働くスタッフも、実在する会社や人物がモデルとなっているそう。原作者のさだまさしさんは、テレビで遺品整理業のドキュメンタリー番組を見たことがきっかけで、この仕事を題材に小説を書きたいと思ったそうです。
遺品整理業者とは
遺品をゴミとして処分するのではなく、神社仏閣に納め、浄火によって燃やすことをお焚き上げといいます。燃えないものはお焚き上げできないので、供養・お祓い後に処分します。
遺品整理業者を活用する理由としては、「残された遺族が高齢のため独力で片付けるのは難しい」「大きな荷物を運び出すのに人出が必要」「仕事の都合などで時間がとれない」「部屋をすぐに開け渡さなければならない」などがあります。他に、ひとり暮らしの方の孤独死、自殺や事件性に絡む後処理の依頼も少なくありません。
遺品整理業者の仕事の流れ
遺品整理業者の仕事の流れは主に次のようになります。- 見積もり訪問、受注
- 遺品の整理分別
- 遺品を搬出
- 室内を清掃、消毒・消臭
- 形見分けの品を配送
- 遺品の処分、お焚き上げ
遺品はまず、家財、粗大ごみ、貴重品、高級品、思い出の品などを、依頼主の要望を伺って整理分別します。思わぬ場所から高級品や遺言、証券などがでてくる場合がありますので、個人情報についての意識を持つことが大切です。
基本的には手紙、メモ書き、ハンカチ一枚でも、業者の一方的な判断では分別できません。処分はしたくでもできない品物、たとえば故人が愛用していた身の回りの品々、人形、お守りなどに関しては、神社仏閣などと提携してお焚き上げを行う業者が多いようです。