潰瘍性大腸炎の治療
■食事療法腸への負担を少なくすることが大切で、食事によっては腹痛や下痢がひどくなりますので、アルコールや刺激のある食事は避けた方がいいでしょう。
■内科治療
炎症を抑える薬が中心になります。5-アミノサリチル酸製薬、副腎皮質ステロイドなどの炎症を抑える薬、アザチオプリン(イムラン)や6-メルカプトプリン(ロイケリン)などの免疫を調節する薬が使われます。移植で使われるシクロスポリン(サンディミュン)やタクロリムス(プログラフ)がステロイドが効かない例で効果があると言われています。これらの治療中は、感染症には注意が必要です。炎症を起こす物質(TNF-α)を抑える薬、抗TNFα受容体拮抗薬であるインフリキシマブ(レミケード)の効果があると報告されています。
炎症を起こす白血球を除く、血球成分除去療法が行われることもあります。実際、本院でも、他施設に紹介し、効果があったという報告を受けました。
■外科的治療
できれば、大腸全体を切除するので、避けたいものですが、下記の状態になると手術になります。
- 腸管から大量出血がみられる場合
- 大腸が大きく膨らんで、腸内細菌、食事性の毒素が全身に回ってしまう中毒性巨大結腸症
- 腸の壁が破れてしまう穿孔
- 癌になってしまった、またはその疑いがあるとき
- ステロイドなどの内科的治療に反応しない重症な例
- 薬の副作用のため薬剤を使用できない場合